コラム

過去のコラム一覧へ

天候に左右されぬ収益構造を 2002年03月25日更新

今年の灯油販売は散々な結果に終わった。これだけ異常なまでに冬季の気温が高いと、来シーズンも暖冬間違いなし、という根拠のない不安を抱いてしまう。しかし、こればか
りは来年こそは寒いはずだ、という楽観的な見方は禁物だろう。灯油に頼らない、暖冬でも安定した収益構造を確保できる態勢づくりが求められているのだろう。大型量販店に灯油販売が持っていかれる状況下、中小の販売業者にとってうまみの少ない商品へと変化していく流れをとめるのは至難だ。 
元売にとっても、今期の灯油販売の不調は痛かった。在庫がだぶつき、製品市況が悪化しているからだ。出光興産が15%、日石三菱、コスモ石油は今月の原油処理量を前年比90%前後としており、昭和シェル石油はリファイナリーの定期修理もあって来月から6月までの原油処理量を88%に抑えている。灯油の不振に加えて電力会社向けの重油販売も落ち込んでいるからだ。しかし、リファイナリーの過剰が久しく言われているなかで、元売はなかなかリファイナリーの閉鎖までは踏み切れないでいる。しばらく我慢して減産していけば、いつかは状況が好転するだろう、との希望的観測が働いているのだろう。このあたりにも横並び体質が透けてみえる。ヨソがやらないうちにウチが動くのは得策ではない、という防衛本能がそうさせている。稼働率をあげてなんぼの装置産業である以上、後手に回るのは妙手といえるだろうか。

ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE