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「中・高一貫校のメリット」 2012年06月25日更新

中・高一貫校の数が全国で450を越えたようだ。 随分と増えたものである。
なぜこれほど一貫校が増加したのかを考えると やはり大学受験を前提にすれば
一貫校のほうが有利だという認識が 学校にも父兄にもそして学生の間にも定着してきているからだろう。

難関大学への進学率が上昇すれば学校の経営も楽になる。 そして進学率を上げるには
一貫校の方が有利である。 中・高の6年間の教科内容を5年間で済ませ最後の一年間を密度の高い受験対策に回す。 これにより一貫校の卒業生はそうでない学校の卒業生より大学受験で有利な立場に立つことになる。 
つまり学校・父兄・学生夫々にとって良い事ずくめとなるのだ。

しかし 案外認識されていない一貫校の大きなメリットは他にもある。 
それはクラブ活動だ。 クラブ活動は中学生と高校生が一緒になって行われる。 
それまで小学生だった中学一年生にとって これはいきなり大人の仲間入りをしたような驚きである。
そして当然その活動の質も中学生だけではとても無理と思えるほどのハイレベルである。

さらには 人脈の形成という利点もある。 中一のときの高三とは五年違いであり
高三のときの中一とも五年違いである。 つまり上下合計で10年の幅を持った人脈が
形成されることになる。 活動のなかでこうした先輩や後輩との付き合い方を自然に
身につけることになるが これが社会に出てからの大きな武器となるのだ。 

教室と自宅との往復だけに終始している生徒にはこれがない。 試験で良い成績を
得るにはそれでもよいが 試験の成績はその時で終わってしまい何も残らない。
クラブ活動の人脈は OB会として卒業後も引き継がれ ここで人脈がさらに大きく
広がるのである。

こう考えると 一貫校にいてクラブ活動に参加しないほどもったいないことはないと
言えるのではないだろうか。 大学受験を唯一最大の目標とすれば その目標を達成
した時点で人生の目標を失うことになりかねない。 将来 社会の中でどういう生き方
をしたいかを良く考えて それに見合った学生生活を学生の皆さんには送って欲しいし 
また父兄や学校もそうした学生を支援して欲しいと切に願うのである。

一本杉―

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