2012.06.05 のニュース
原油急落で市況対策難に 市況立て直し見送りか ~先物、業転の下落が続く~
原油価格は下落傾向を強めている。WTIは90ドル/バーレルを割り86ドル台に、また、中東産も100ドル割れ寸前となってきた。為替が78円/ドルと円高基調で推移し、市況対策が厳しい状況となってきた。販売業者の市況対策に取り組む動きがようやく見え始めていたところ、ここ数日での原油価格の大幅な下落によって、再び、静観することになりそうである。現在、ブレントは100ドル台を維持しており、WTIが先行して値下がりを続けているが、これは欧州諸国の財政危機問題、アメリカの株安に連動しているものである。国内の先物市況は原油安によって、ガソリンが値下がりしており、業転市況も今後ますます影響を受けそうである。
ガソリン市況は値下がり続けており、みずほ総合研究所の週動向調査(28日)では、全国平均価格が147円/Lとなり、前週比2円の値下がりとなった。4月初めの158円に比べて、累計11円の値下がりとなった。
この間、一部では下げ止めの動きが出てきたが、原油価格が再び下落することにもなれば、市況の立て直しも見送りとなりそうである。
一時は、原油価格が下げ止めとなったことから、仕切価格も据え置きとの見方も出始めていたが、2日からの仕切価格改定では、出光興産が40銭、JX日鉱日石エネルギーが1円の各値下がりとなり、昭和シェル石油とエクソンモービルが一応据え置きとなった。
今回、小幅下げと据え置きのため、販売業者は市況維持に専念することになる。しかし、前週からの仕切価格の値下がり分もあり、販売業者には、今週の市況対策が一段と難しくなるとみている。