日刊ニュース

2012.06.08 のニュース

本日、全石連松山総会を開く ―SSは安定供給の最後の砦だが減少―

 全石連、石油協会は、本日7日、松山市の「ひめぎんホール」で平成24年度の通常総会を開催する。今年は役員改選期で、全石連の会長には関正夫会長の再選(8選)が内定しており、関体制が再スタートする。昨年は東日本大震災の発生のため、郡山市で開催予定だったものが、急濾、東京の全石連本部、石油会館での開催に変更されたが、今年からは通常の持ち回り開催となった。総会には全国の石商役員が一堂に会し、販売業界の抱える問題点などを審議するが、元売各社の社長、役員、石油連盟の木村新会長(JX日鉱日石エネルギー社長)も出席する。
 石油販売業界を取りまく環境は、ガソリン需要の減少(23年度は1.6%減)が続き、年間で約1500SSが廃業・撤退しており、このような状況下で原油価格の乱高下、HC、量販店、元売販売子会社などの攻勢により価格競争が激化、SS経営は一段と厳しさを増している。震災を機に石油の役割、重要性が再認識され「SSは石油安定供給の最後の砦である」と評価されているが、一方では過疎化が進み、これ以上SSが減少すると災害時の安定供給に支障をきたす状況にある。全石連では、SSの減少を食い止めるためにも「平時から石油の需要を確保すべきである」と要望している。また、消防法の規制強化で、40~50年以上を経年したSSには、地下タンクのFRP内面加工、電気防食工事などが義務付けられており、期限は26年3月末となっている。今年が工事を実施するか否かを決める年となる。この消防法の改正を機に、SSを廃業する業者が増加している。同じく、高度化法による元売の精製設備処理の完了と同時期であるため、石油業界(元売、販売業者)としても大きな転換期を迎える。
 毎年、総会ではSSの経営難からの脱却がテーマとなっているが、価格競争の激化が続き、適正マージンの確保は難しい状況にある。安値競争の激化から、茨城でレギュラーガソリンをハイオクガソリンとして偽って販売する不正事件が発生した。品質の確保は順守すべきであるが、過当競争に問題があることを提起した事件であり、石油業界に反省が求められるところである。大型連休に発生した高速道路のバス事故も、格安料金が安全性を損ねたとの見解もあり、コストを割るような価格設定は、様々な無理が生じる。
 不当廉売については、独占禁止法の運用が強化され、不正取引行為に対しての課徴金適用や、不当廉売基準の見直しもされたが、実際には廉売事案で申告しても「注意」に止まり実効性が薄いという現状である。「注意」では不当廉売に是正がみられないため、繰り返し「注意」を受けた場合は、何らかのペナルティーを課すべきと公正取引委員会に要望したが、受け入れられなかった。
 また、依然として仕切価格と業転市況との価格差が問題となっている。新体系への移行を機に、元売が系列玉の供給に対してブランド料か加算したため、さらに価格差が拡大傾向にあり、販売業者からの反発が強まっている。元売と販売業者の双方に公正な価格決定方式を要請しているが、個々の商取引問題であるため難しい。公取委に実態調査を要請しているが、仮に価格差を実証したとしても調整は難航する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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