日刊ニュース

2013.01.25 のニュース

不当廉売、差別対価で意見交換 ―公取委と認識違いで議論噛み合わずー

 東石商は22日に理事会を開催したが、公正取引委員会が昨年実施した「ガソリンの取引実態調査」(昨年4月~6月が対象)の内容についての説明会と、これを受けての意見交換が理事会開催前に行なわれた。
 不当廉売、差別対価という問題は、これまで再三議論されており、今回の公取委による調査は、その取引実態を検証ための資料を集めるために実施したものである。主な項目は、①仕切価格、業転価格、②仕切価格の週決め制など新体系への移行による価格決定、③基準価格の決定の指標が選択できるか否か、その構成内容が開示されているか、④販売関連コスト(ブランド料)を回収しているか否か、⑤回収している場合は、その額を開示しているか、見直しを行なったか否か、などを調査しているもの。公取委は、実態を調査することで、問題点を指摘、『その後の運用面での施策に反映させることになるが、実態を公表することで、新しい秩序の形成を図ることを目的としている。
 役員からは、「調査が集計段階にあるが、業転と仕切価格の間に価格差(差別対価)が存在することを認識しているのか」、「不当廉売で対象業者を申告、回答は白ということになったが、その理由が明記されていない」、「小売業の常識からみて不当廉売と考えられるケースがあるが、申告しないと対応できなのか」、「不当廉売の実例としてHCがガソリンを137円で販売しているが、自社の仕切価格は138円(消費税込み)であり、仮に仕入価格に差があるとしてもこれは不当廉売にならないのか、総合的な判断ができなのか」、「市場に系列仕切価格と業転市況という二重価格が存在するが、一本化できないのか、できないとなれば業転玉を自由に買うことができる市場にすべきである」などの意見が出た。不当廉売、差別対価についての意見交換となったが、公取委は、あくまでも個別の商取引の同題となるため、独占禁止法の運用上の適用範囲で限界があり、要望を聴くことでとどまっている。業転と仕切価格との価格差の存在については、「まだ集計中で数値は出ていないが、格差がないとは言えない」、不当廉売については「仕入価格と販売価格の比較においては、仕入価格の実態を把握することが現実的に難しい。一般的に廉売といっても仕入価格が安いと該当しないケースも出るなど実態を把握するのは困難である」などの回答となっている。
 不当廉売の適用条件については、周辺業者が著しく経営が困難な状況となるケースを想定しているが、これを数値で示すことは困難である。すでにSS数が以前の半数以下に減少している地区も多い。不当廉売の申告、原則文章で受けることになっており、文書で回答することになっているが、判定が黒となるケースはなく、灰色の注意止まりである。注意を数回受けても罰則がないのが実態で、販売業者の認識と公取委との認識に大きな隔たりがある。
 そのため販売業界からは公取委に対して運用強化などを要謂しているが、解決を得ることは難しい。今後、自民党への政権交代を機に、独禁法の運用強化を期待する向きもあ
るが、公取委の基本姿勢が消費者の味方であるという前提を考えると、大きな期待はできない。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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