日刊ニュース

2013.04.03 のニュース

仕切価格、据え置きが続く~減販ムードで需給は緩和~

 ガソリン商戦は、4月の新年度入りとなり、市況維持がポイントとなってきた。仕切価格は3月30日から出光興産、EMGマーケティングが据え置き、昭和シェル石油が80銭の値下げ、JX日鉱日石エネルギーが40銭の値上げ(週中で30銭下げ)、EMGの外販が1円の値上げとなり、上げ、下げの小幅な変動となった。前週の仕切価格の改定も据え置きとなったため、当面の末端市況は、下げ止めから市況維持に努めることとなる。ただ、販売数量が減少しているため、市況維持が難しい状況にある。ガソリン販売は2%~3%減での推移が予想されているが、石油統計速報による2月販売数では6・7%減となった。前年同月が閏月であった反動ではあるが、1日分を調整しても3%の減販となる。減販傾向は今後も続きそうであり、価格競争の展開が懸念されている。末端市況は下落基調で推移しているが、3月の仕切価格は、上げ、下げと変動、平均では40銭の値上げとなったが、末端市況は値下がりとなっている。
 みずほ総合研究所の調査によると、ガソリン市況は2月末に156円/㍑まで値上がりし、3月に入り小幅に値下がりとなったが、全国平均は156円(3月25日調査)を維持しており、東京も156円相場となっている。
 ただ、首都圏の街道沿いは150円を割って146円~147円、セルフの安値は145円と急落しており、調査価格とは乖離している。量販店と系列SS、堅調地区と安値地区との格差が10円まで拡大しており、業転と系列仕切価格との価格差問題となっている。
 系列仕切価格は136円~137円となっており、これに消費税を加算すると144円となるため、マージンは2円~3円程度となる。業転は5円程度安いため、業転玉を購入すれば、マージンを確保できるが、実際に業転玉を手当てできる販売業者は少ないため、経営は難しくなっている。
 仕切価格が連続の値上げとなっていた2月末までは、150円台相場で安定しておりマージンは確保されていたが、ここにきて市況が急落してきた。
 仕切価格は小幅な値下げとなったが、販売が減少してきたため、販売業者間で価格競争が展開されている模様。この販売減は、ユーザーが一時的な買い控えで1回当たりの給油を満タンにせず、給油数量を決めて節約する動きをみせていることによるもの。だが、月間のトータルでみれば小幅な減販であるため深刻な状況ではない。ただ、販売業者間に減販ムードが強まっている。
 灯油など中間留分は不需要期に入るため、減販により需給は緩和気味で推移しているが、これから春の行楽シーズンに入り、増販が期待できるため、4月末からのゴールデンウィークに期待して、それまで市況を維持すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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