2013.05.02 のニュース
負担軽減と需要喚起のため
全石連と油政連は現在、自動車ドライバーの負担軽減と石油製品の需要喚起のために二つの要望運動を全国規模で実施している。高速料金「休日上限1千円」制度の復活と、ガソリン税に係る暫定税率の引き下げ及びタックス・オン・タックスの廃止である。
高速「休日上限1千円」制度は2009年3月、時の麻生太郎政権時に景気対策として実施し好評を博した。11年6月、財源を東日本大震災の復興財源に回すということで廃止された。この制度によって高速を利用する自動車が増加し、各地で土日に県外ナンバーが頻繁に見られるようになった。象徴的なのが四国だ。本四架橋をマイカーで渡って本場の讃岐うどんを食べに行く人が増えたと話題になった。日本自動車連盟が地方自治体や観光協会向けに行ったアンケート調査でも、高速道路料金の大幅割引は、観光需要の増加や地域の経済振興に役立ったとして、割引制度の復活や継続を求めている。
もう一つが減税運動である。ガソリンには本来の税率(㍑28・7円)に、道路整備を優先するという理由から暫定的に税率(25・1円)が上乗せされている。一般財源化されて道路整備という名目もなくなったのならば、その上乗せ分の税率は下げるのが筋だ。
だが、国は「財政が厳しい」との理由で、名前を「当分の間税率」に変えただけで、税率はそのままにしている。円安でガソリン価格が高騰している中、この暫定上乗せ分の税引き下げはドライバーの負担軽減に直結し、エネルギー価格の低廉化は経済活性化を謳うアベノミクスを下支えするはずだ。
消費税増税に伴うガソリン税と消費税のタックス・オン・タックスの解消もある。消費税は再来年10月に10%となり、ガソリンの税を含めた価格に、単純に1割の消費税が課せられ、ドライバーの税負担はさらに大きくなる。この増税を機に二重課税状態を解消するのが国の責務である。
これら自動車の走行に際しての負担軽減策は、ドライバーだけでなく地域の経済活性化や観光振興にも大きな波及効果が期待される。同時に石油の需要が喚起されることは、石油販売業界の元気を取り戻すことにもつながるのである。大企業の業績回復や株価の復活だけでなく、地方が元気になるためにも、こうした需要喚起策は必要なのだ。