日刊ニュース

2013.05.16 のニュース

卸情報が発する不協和音

 大手元売5社の3月期通期、12月期第1四半期の決算が本日の東燃ゼネラル石油で出揃う。1-3月の国内の石油精製販売の業況は、全般的な数量の減少が浮上し、中でも2月以降の灯油不振が際立つ。そして全油種共通での粗利悪化によって、収益面でも芳しくなかったようだ。
 年度が改まって一ヵ月半が経過したが、4月、そして5月と、さらに元売の国内・石油の業況は悪化している外観が見える。
 原油見合いでの精製元売粗利は、ガソリンを例にとると、3月平均に対して4月は京浜地区での海上出荷で㍑2・9円、同陸上出荷では1・0円の各悪化、5月の近況は、さらに海上1・4円、陸上1・9円の各悪化が生じている。新たな中期経営計画の実現を期す新年度となった元売を筆頭に、収益浮上を至上命題とする経営陣は、中核事業の国内・石油に関して、相当大きなテコ入れを欲しているのは想像に難くない。テコ入れとは収益良化であり、それは粗利の回復でしか成し遂げられない。
 原油はやや弱含みの中で、為替の円安が急加速し、一般的に円建ての原油高が生じているにもかかわらず、先週末の卸指標は、ある元売は値上げ、ある元売は据置き、ある元売は値下げと、その対応が見事に三様に分かれた。さらに本日は期中修正が発せられるかも知れない。こうしたドタバタ劇が、自らの収益基盤を毀損し、系列SSの収益まで、その道連れにしているのが現況だ。
 そもそも系列SS視点では、改正ではなく改悪となる仕組み、従来よりも系列仕切りが割高になる仕組みを実質強要したのは元売だ。さらに、余剰玉を業転指標レスという値付けで系列外へと流し、顕在化した販売不振の国内市場に向けてレス幅を拡大させたのも元売だ。その結果、自らの粗利を縮小させ、小売市場における系列とPBとの絶望的な価格差を出現させている。
 上がるのか、下がるのか。7500万人のドライバーの最大関心事である価格情報の基盤が支離滅裂であって良いはずはない。系列SSを経由して小売市場に向けて発する情報は、明確な方向性を示すべきである。系列SSの浮上効果とともに、そうした問題が起こらない仕組みへの修正が、現在の週仕切り方式には必要だ。本当の意味での改正・良化を系列SSは待望している。元売の英知を結集すべきテーマである。

提供元:全国石油商業組合連合会
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