日刊ニュース

2013.05.23 のニュース

益なき窮状の根源にあるもの

 12年度末の系列SS数は前期比▲5%、1289ヵ所減の2万6629ヵ所で、元売別シェアはJX42・4%、出光14・5%、昭和シェル13・4%、EMG13%、コスモ12・5%、キグナス1・9%、太陽1・3%、三井1%となった。また、セルフ率は平均27%で、三井52%、太陽44%、キグナス42%、EMG35%、コスモ30%、昭和シェル28%、出光24%、JX23%の順。5年前、10年前と比べると、SS数は▲21%、7041ヵ所減、▲35%、1万4210ヵ所減だ。セルフ率は10年前5%、5年前18%だから、増加基調が続いている。他方、非系列のPB店は各地で増勢している。
 これに対し、ガソリン販売量は前期比▲1・3%の5645万㌔㍑、軽油は△1・7%の3344万㌔㍑、灯油は▲3・2%の1899万㌔㍑だった。これも5年前、10年前と比べるとガソリンは▲4・4%、▲5・6%で、ピークの04年度比では▲8・2%、503万㌔㍑減だ。
 減販率よりもSS減少率のほうが高いから、1SS単純平均販売量は相対的に増えている。しかし、ガソリン需要は2年連続、過去10年間では6度目の減販。そのうえ、最近は大型量販店が“表面上”5円未満と見られる極小マージンで廉売競争を繰り返しているため、大多数のSSが減販・減収で経営を疲弊させている。特に、お得意様や掛売客を多く抱える地場中小SSの喘ぎは激しいと聞く。
 加えて、SSを持たない異業種などが多数発行している発券店値付けカードによる実害報告や不満の高まりが、都心部だけでなく地方からも指摘され始めた。既存顧客の流出や価格対応による大幅なマージン圧縮、給油代行手数料5~7円での応対、フル・セルフ均一の手数料…。同カードによる新規客や販売量の増加という側面もないわけではないが、決済できない油外作業もあったりするようだし、採算価格を頂戴しているお得意様の居心地や使い勝手を損ねる懸念も指摘されている。
 系列に属するメリットとは?商標やサービス、各種支援の利用料として負担を求められる、要はブランド料。仮に㍑4円として、月間100㌔㍑SSで40万円、年間480万円にのぼる支払いに見合う価値とは?得るもの、失うもの。近年、大きな前進はあったか。精販による再検討と同時に、自社の経営方針を見つめ直すべき時期かもしれない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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