日刊ニュース

2013.07.02 のニュース

系列1SS530万円の意味

 1年の折り返し点、7月を迎えた。この半年間、2700万㌔㍑弱のガソリン内需の大部分を担ったのが系列SSだが、その業容は、セールス担当や支店から、ほとんど悲鳴に近い声として、元売幹部に届いていることだろう。
 公取委調査のシェアをあてはめると、このうちの10%=270万㌔㍑が真性・業転となる。商社向けの値差を適用すると、業転に対して系列玉2400万㌔㍑は、平均3・8円高で仕切られているというから、系列SSが元売にもたらしたブランド料は、総額912億円になる。この3月末の系列SS総数は2万6629ヵ所だったから、1SS当たり平均は約340万円。これはそのまま系列劣勢の価額に相当する。
 数量インセンティブが最大適用される商社向けの系列値差を適用しても、この値差となるのだから、地域の中小系列SS向けとの値差は、さらに大きくなることは想像に難くない。ちなみに東京石商調査の系列-業転の値差の最近値は5・9円となっている。これを適用すると、総額1416億円、1SS平均530万円となる。
 そのころ同時並行的に、530万円多く負担させられた系列SSは、売れ行き不振という全体構造の中で、低価格攻勢を仕掛ける一部SSによって、多くの地域市場が安値スパイラスに陥り、小売粗利がみるみる縮小する事態に直面している。減販の幅が、地域密着SSほど過度に出て、その経営を揺るがしている構造だ。
 地域生活者も困る。中距離で移動できるユーザーが、購買行動を安値量販SSに振り向けるようになった結果が、地域SSの廃業につながり、SS過疎地の急増を招いている。地域に残る高齢者は困窮する。寒冷地ならば、それは死活問題となるからこそ、政治問題となるのだ。
 低価格攻勢に出る一部SSがPBだった場合、系列玉縮小-業転玉拡大という構図となり、元売の収益基盤が一段と弱くなる。この構図を断ち切らない限り、元売も収益を毀損し続けることになる。
 実は、多くの系列SSは、業転購入を欲しているのではないだろう。系列と業転の大きな値差に対して、NO!と言っているのだ。これほどまでに値差がなければ、まだ生業として継続できた系列SSもあろう。地域生活者も、生業SSも、元売も、報われるような流通の仕組み、卸価格の仕組みが求められている。

提供元:全国石油商業組合連合会
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