日刊ニュース

2013.07.23 のニュース

ガソリン再び155円相場へ-高値買い控えによる減販を懸念-

 石油情報センターの調査(16日)によると、ガソリンの全国平均価格は155円20銭/リットルとなり、前週に比べると2円50銭の値上がりとなった。今年の4月相場(最高値は3月の156円)に戻ったことになる。
値上がり幅が大きい地域は、滋賀の4円80銭、神奈川の4円70銭。群馬の3円80銭となっている。一方、ガソリンの仕切価格は6日、13日からの2週間で5円の値上がりとなっており、2円の未達となる。そのため次回調査(22日)では、さらに値上がりが見込まれている。
 軽油は134円50銭となり、2週間で2円60銭の値上がり、灯油は、SS店頭が98円70銭で1円10銭の値上がりとなっている。灯油は不需要期であるため荷動きがなく、仕切価格の値上げ幅も4円程度と低い。
 ガソリンは、2週間で3円の値上がりとなっているが、経済産業局別でみると北海道、関東が155円で前々週比では4円の値上がり、中部、中国が156円で4円の値上がり、九州は158円で3円の値上がり、四国は154円で2円の値上がりと地域によるバラツキがある。
 仕切価格の値上げ実施は土曜日からとなるが、ユーザー転嫁は翌週の火、水曜日となるため、この調査が行なわれる月曜日には反映されず、値上がりの調査結果が出るまで1週間~2週間かかることになる。首都圏ではボトム155円相場を目安に市況対策に取り組んでおり、さらなる値上がりが見込まれている。
 ただ、155円相場となると、高値感からユーザーが買い控えることで、減販となることが懸念されている。3月~4月に155円~156円相場となった際には、原油価格の下落も影響したことで減販となり、市況は下落した。
 7月に入り原油価格はドバイが6月の100ドル/バーレルから104ドルへ値上がりしてきた。WTIは急騰して108ドルとなりドバイを上回り、ブレントとの価格差が1ドルと接近してきた。WTIはアメリカの景気が回復、パイプラインの整備などから流動性を高めており、エジプトの政情不安とも重なって急騰するなど、原油相場はWTIがリードするほどの勢いに変わってきた。
 原油価格の値上がりの影響から、ガソリンは7月入りで5円の値上がりとなり、遅れながらもユーザー転嫁が浸透してきた。これは、連日の猛暑でカークーラーが使用増となったことでガソリンの消費が進み、ガソリン販売は、前年比で増販となっているためである。増販がユーザー転嫁の好材料となっている。
 だが、ガソリン販売は平成25年度の需要見通しでは前年比1%減となっており、基調はマイナスとなっている。人口の減少、若者のクルマ離れ、省燃費車の普及を要因として、今後の増販は見込まれない。その結果、SSの経営難が続いており、SS数の減少が加速している。
 ガソリン販売は、4月以降、好天気と景気の回復の兆しから微増の傾向を示しているが、販売価格が下落していたことも要因としてあげられている。ガソリン価格は140円割れが散見され、街道沿いは150円台が消える状況であった。だが、ここへきて再度、155円相場となったため、マイナス基調のなかで、今後も微増傾向が継続するか、夏場商戦の動向が注目される。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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