日刊ニュース

2013.09.12 のニュース

ガソリン160円、灯油2000円相場に-高値による節約の浸透で減販を懸念-

 原油価格の上昇、円安で灯油の仕切価格が85~90円/リットルと値上がり、店頭相場は100円/リットル(18リットルで1800円)、配達価格は110円(約2000円)となってきた。ガソリンも160円相場となり、高値感からユーザーが節約に取り組むことになりそうである。そのため販売数量の伸び悩みが懸念される状況となってきた。
 灯油は、不需要期であるため荷動きはないが、10月になると、寒冷地では灯油ストーブを使用するようになるため荷動きが活発化する。現在、在庫の積み増しが行なわれており、8月末で300万キロリットルを超える水準に達し、前年に比べると28万キロリットル増となっている。在庫が順調に積み増しされてシーズンを迎えることになるが、配達で2000円(18キロリットル)を超えると、高値感から節約が浸透しそうである。
 灯油販売は天候次第で予測は難しいが、基調としては、電気・ガスヘの燃料転換が進み2~3%の減少が見込まれている。それでも、早めに冷え込むことになれば、増販が期待される。だが、都市部では、冬場の灯油販売が大幅に減少しており、灯油の需要は郊外地区などの町村、寒冷地と需要地も限定されている。
 厳冬になれば需要量の増加も見込まれるが、高値となると減少が予想される。今後の灯油価格の推移を予測することは、原油価格、為替次第で難しいが、例年、需要期に入ると値上がりとなる。夏場の「ガソリン高の灯油安」から冬場には「灯油高のガソリン安」の価格体系に移行する。先物では、10月限は80円とガソリンと同額となっているが、11月限は灯油高となっている。業転はまだ「ガソリン高の灯油安」で推移しているが、これから逆転する。灯油高の価格体系へと変わることになるが、価格水準となると、今後の原油価格と為替次第となる。
 シリア情勢が緊迫化しているため、原油価格は110ドル/バーレル、為替が99円/ドルで推移しているが、緊張が緩和すれば、下落することも予想されため見通しは難しい。さらに値上がりを見込んで、在庫を積み増してもシーズン入りで下落することもあり、今シーズンの予測は、とくに難しいものとなっている。そのため在庫を持つことなく、自然体で対応する販売業者も多いようだ。最近は、円安で推移しているため輸入は高値のため困難となっており、これが需給の取組みを難しくさせている。
 ガソリンについては、末端市況は160円相場となってきた。街道沿いの安値は150円台も散見するが、160円はユーザーから見れば高値であるため、一回の給油で満タンにせず、数量、金額を指定する限定給油が増えている。そのためSS店頭では、手間がかかる割には売上高が伸びず、減収となるなど苦戦する状況となっている。7~8月の販売は、猛暑で増販となったが、集中豪雨もあり、高値から旧盆を過ぎて減販となったようである。
 ガソリンの末端市況は8月下旬から値下がりしていたが、8月末から仕切価格が2円50銭の値上げとなり、9月で160円相場となってきた。160円相場に対してはユーザーも節約で対抗しているため、9月以降は減販となりそうである。減販となると、販売業者間で値下げ競争が展開されることが懸念される。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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