2013.09.19 のニュース
約5円もの大増税阻止を
シリア情勢の緊迫などの要因から原油価格は高止まりを続けている。円安も影響して小売価格も㍑160円前後で推移している。仮にであるが、来年春までこの価格水準が続いていた場合、4月1日から小売価格はおよそ165円に跳ね上がる。
言わずと知れた8%への消費税増税である。10月初めに安倍総理が最終判断するとされているが、実際にはすでに決定したとの認識で、政治も経済も動いている。現在は、むしろ景気の腰折れをどう防ぐか、どのくらいの規模の経済対策を講じるべきかなどが焦点となっている。
さて、その増税であるが、来年3月末の時点で小売価格が160円とすると、消費税(5%)抜きの価格は152・4円。そして翌日の4月1日から、ここに8%の消費税を課した場合、164・6円となる。さらにこの日からは地球温暖化対策税の第2段目の増税によって0・25円上乗せされるから、SS店頭では小売価格を約5円値上げして165円に引き上げなければならない。
一気に5円もの値上げは大きい。その影響を直接受けるのは消費者であるし、価格が高止まりしている中、さらに負担増となれば、買い控えはさらに進むだろうから、SS店頭での増税転嫁も容易ではない。すぐに転嫁しなければ、その未転嫁分を負担するのは石油販売業界だ。
このガソリンへの消費税増税による負担増を少しでも抑制するために石油販売業界は、消費税が導入された1989年以来、四半世紀にわたってガソリン税に消費税を課す上乗せ課税の廃止を訴えてきた。いわゆる「タックス・オン・タックスの廃止!」である。
例えば先ほど計算したとおり、消費税抜きの価格が152・4円とし、これからガソリン税と石油石炭税を抜くと96・3円。これがガソリン1㍑の本体価格である。この価格に消費税8%を課すと104・0円、これに別途、ガソリン税、石油石炭税を加えると160・3円となる。
つまり、タックス・オン・タックスが廃止されれば、ガソリンは消費税増税となっても約5円の税負担が回避され、160円で販売できる。これは消費者の負担軽減につながるものだ。消費増税を前に政治は今後、関連税制の改正に向けて議論が活発化する。業界はいまこそ一丸となって税の二重取り廃止を訴えていかなければならない。