2013.12.05 のニュース
発券店値付けカード問題を再検討-給油手数料の引き上げに再挑戦-
東石商は、発券店値付けカード問題を再検討するため「カード委員会」を設置することになった。このカード問題では、従来から①廃止すべきである、②給油手数料を引き上げるべきである、③給油拒否できないか、などを元売に要請している。
元売が若干の修正を検討すると回答しているが、解決には至っていない。給油店の手数料(マージン)は、ガソリンで7円/リットル程度であり、これではSS経営が難しく、即廃止はできないとしても、その代案として手数料の引き上げを求めている。
全石連でも検討されているが、発券店値付けカードを巡っては、全国ベースでみると地域、SSの規模などで温度差があり、関心度も違っているため調整が難しい問題である。関心、要望が強いのは東京、大阪など都心部のSS(業者)であり、販売数量が少なく、低マージンの地区では歓迎しているため、全国ベースでの取り扱いでは苦慮している。
地方の安値地区では、7円を下回る低マージンでガソリンを販売し、SS経営しているケースもあり、これらの地区では7円の手数料があれば経営が可能となるため歓迎されているのが実態である。
一方、東京など都心部のSSは、地価も高く、固定資産税、人件費などのコストが嵩むため7円のマージンでは経営が難しい。一般的に、都心部のSSでは15円以上のマージンが必要とされている。そのため、このカードの使用者が増加することは、最低限のコストをも確保できず、経営難を招くこととなる。カード客の給油を拒否できないかとの意見も出ているが、元売としては他の系列SSでも給油が可能であることを特長にしているカードシステムが売りであるため、これを認めていない。
また、都心部で特に問題となっているのは、SSの固定客であった法人客が、ある日突然リース会社とカード契約を行ない、そのカードで給油するケースが増えていることである。従来では15円程度のマージンを得ていたものが、その日から手数料7円のマージンのみで、利益が半減することになる。これではSS経営がますます厳しくなる。ただ、リース会社によるカードの扱いは、元売も自粛しており減少傾向となっている。
だが、安値地区ではスポット客の給油で7円の手数料が確保できれば増益となるため取扱いを歓迎している。このカードはユーザーの利便性を考えて、都市部のSSと全国の系列SSで給油ができるシステムとなっている。しかし、都市部のSSでは、15円程度が経営に必要なマージンであるため、7円の給油手数料では、経営は不可能である。そのため手数料の引き上げを元売に求めているが、発券店と給油店との間での取り分の配分となり、給油店の手数料を上げると発券店の手数料が減少することになる。
手数料を引き上げるため、元売が調整する措置を講じることができるか否かがポイントとなる。過去には10円以上あった給油手数料が減少してきており、元売のマージンも減少しているため、増額が認められるかは、今後の交渉次第となる。そのため、給油手数料の引き上げを今後も求めるが、妥協案として、フルサービスSSに対してのみ給油手数料を引き上げるとの案が出ている。