日刊ニュース

2014.01.29 のニュース

ガソリン市況は維持へ 仕切は据え置き続く~灯油は値下がり傾向~

ガソリンの仕切価格は、24日からは、JX、EMGが据え置き、出光が40銭の小幅な値下げとなった。前週(18日から)もJXは据え置きとなるなど小幅な変動となっているため、末端は市況維持を狙うことになる。
首都圏の街道沿いは、ボトム157円/リットルを目安に市況対策に取り組んでいる。実勢は157円を若干下回って154~155円も散見するが、安値も150円割れはなくなり150円台に乗せている。原油価格はドバイで104~105ドル/バーレルと高止まりで推移している。為替は104円/ドルの円安であったものが小幅な円高に転じているが、依然としてコスト高となっている。原油価格は年初めに下落し、その後は横ばいで推移しているが、今後の原油価格、為替の見通しは難しい。灯油の仕切価格は出光が2円の値下げをしており、先物市況は、灯油が値下がり、ガソリンと同値の80円/リットル程度となってきた。これからガソリンは値上がりとなり、灯油に比べると高値となる。
 ガソリンの末端市況は、昨年11月末からの仕切価格の連続値上げを受けて値上がりしているが、小幅であり、ユーザー転嫁の遅れが目立っている。そのため販売業者はマージン減と減販で苦しい経営が続いている。
 石油情報センターの調査価格の全国平均は159円/リットルとなり、7週連続して値上がりしているが、週単位では20銭程度の小幅上げに止まっている。東京は160円台に乗せているが、実態としては市況維持となっている。
 原油価格については、シリア内戦の調整に向けて交渉が行なわれているが、問題の解決が長引く不安要因もあるなど地政学リスクが山積している。原油が高止まりで推移しており、ガソリンは値上げすると販売減が心配されているが、今後も販売減が続くことが確実となっている。さらに4月からの消費税の引き上げで5円の値上がりとなり160円相場となるため、減販に拍車がかかる。これから増税への対応が求められるが、発射台を高くすることがポイントとなる。
 過去においても160円相場は経験しているが、4月からは、すべての商品が値上がりするため消費行動にも変化があらわれ、ガソリンの減販への影響は大きくなる。値上げによる減販を気にすることはなく、市況対策に取り組むべきとの意見もあるが、周辺SSの出方が気になるため簡単ではない。
 しかし、ガソリンは生活必需品であるため値上がりしても大幅に減販することはないとみられるが、節約は一段と浸透する。省燃費車の普及で1台当たりのガソリン消費量が減少するため確実に減販となるが、全体の車の保有台数は増加することで車関連のビジネスチャンスが増加する。そのため減販を過度に悲観することなく、足元でのガソリンマージンの確保とカーライフ商品を囲い込むことで収益増を狙い、健全経営に取り組むべきとの戦略が展開されている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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