2014.02.25 のニュース
本業の本質を取り戻そう
農政のほうでは、いよいよ本丸の農協改革に着手するという。SSの視点でも、官公需まで手を広げる農協あるいは農協子会社の攻勢は地方の大問題と化しているが、手厚く保護された特殊形態であるにもかかわらず、兼業農家ばかりか農業とは無縁の地域サラリーマン世帯までを傘下に置く準会員というグレーっぽい仕組みを設け、肥大化し続けてきた農協組織。その一方で農業自体の健全化・自立化・集約化が一向に進まない現状に、大鉈が振るわれる。
この3月で、SS業界はセルフ解禁後、丸16年を過ごした。5万8千ヵ所を数えた当時のフルSSは、その後、雨後の竹の子のようなセルフ化ラッシュをへて、ここ数年はスクラップ&ビルドで、ややブレーキがかかった傾向にあったが、今年度は再加速傾向にあり、昨年に10月に9千ヵ所を超え、この3月末は9100ヵ所前後と想定できるだろう。
一方のSS総数は、系列SS数の暦年動向から3万5千ヵ所強と推計できるから、フルは2万6千ヵ所前後。今日のフルSSがすべて当時からのフルSSだったとして、この16年間で実に3万2千ヵ所が市場から消え去ったことになり、現在のフルSSは2・2倍の生存競争率を切り抜けてきたことになる。
厳しいフルSSの生存競争の履歴は、SS業全体の低粗利競争の履歴にほかならない。セルフがその宿命のように薄利多売を追い、当時のV指数に代表される損益分岐点指数が元売販売政策の中心に座る一方で、市場ではセルフ間競争が激化する。さらに、優位な卸価格を背景とするPB量販店が出現することで、一般SSは利益なき石油業となった。オイルだ、カードだ、車検だ、洗車だ、と元売は言い続けるのみで、石油自体の収益回復など論外のような石油販売業と化してしまった。
ガソリンは数量こそが命、収益は上げなくてよろしい=SS石油粗利ゼロを目指しましょう。カードを通じて固定化を図れ=高値で負担が増えているカード手数料ですが、どんどん支払いましょう。固定化によって車検や板金、洗車を増やせ=副業で稼ぎましょう。ブランド料の見返りに、こんな表現になってしまう系列支援が実行されている。
SSは、ガソリンで儲けてこその本業である。これでは、石油は副業ではないか。ガソリンや灯油、軽油で儲けさせてこそのブランド料だ。