2014.04.08 のニュース
高まるSSの公共性
SSの公共インフラとしての機能が改めて見直されている。東日本大震災から3年、地域における災害時の防災拠点として、さらには人々の暮らしに欠かせないエネルギー供給を担う拠点として、それぞれの地域自治体がSSや石油組合と、様々な形で連携する取り組みが各地で行われている。
最近のケースでは3月末に、群馬県と群馬石協が東京湾北部を震源とする震度6強の大地震が発生したとの想定で災害時対応の訓練を実施した。同石協と県が締結している災害協定を基に、県と組合間での情報収集や情報交換の訓練、中核SSでの緊急車両への給油、配送センターから重要施設への配送訓練など、災害時に発生する様々な事態の想定とその対応シミュレーションが、実際に機能するかどうかを確認した。
東京をはじめいくつかの都道府県でこうした訓練や講習会などが行われており、石油組合と地方自治体間の連携は、年々その厚みを増している。最近は、こうしたSSの公共インフラとしての機能を認めるだけでなく、SSを維持・継続していくためになにをすべきか、とさらに踏み込むケースも出始めた。
災害時供給協定の締結に際し、平時の燃料調達を地元SSに分離・分割発注を行うなどの条項を採り入れた北海道。この道との締結を皮切りに道内の各市町村や公共機関がこの条項を盛り込んだ協定を結んでいる。
その北海道議会で先ごろ、自民党議員から「SSが年々減少していくことは、地域の防災力の低下につながる」「いざという時のためには、普段から地域のSSの経営が成り立つよう行政として支援していくことが必要だ。特に燃料調達にあたっては、道との防災協定に参加しているSSへの一定の配慮が必要」と質した。
道側は「SSが地域において普段から安定的に燃料供給できるような経営環境維持が重要」との認識を示し、①各関係部局の燃料調達において分離・分割発注の徹底を図るよう文書で周知し②道庁内に関係部局による会議を設置して燃料調達における道としての配慮のあり方を検討する方針を明らかにした。
民間企業であるSSが公共インフラとして位置付けられるようになった。その機能を維持するために自治体がどのような支援をするのか。どのようなことが可能なのか。新設される会議での議論が注目される。