日刊ニュース

2014.04.28 のニュース

低在庫で需要回復の兆し 設備処理と定期修理の効果~需給タイトで業転値上がり~

石連週報によると、ガソリン在庫(19日時点)は191万キロリットルで前週に比べて2万キロリットル増となったが、前年に比べると38万キロリットルの減という低水準となっている。13~19日の生産は97万キロリットルで3万キロリットルの増、輸出は5万キロリットルあり、出荷は90万キロリットルで低調である。消費税の増税による仮需要の反動で大幅減販となっているが、前週の78万キロリットルに比べると回復傾向にある。灯油在庫は130万キロリットルで前週に比べると2万キロリットルの減となっており、前年に比べると40万キロリットルの減となっている。出荷は微増となったがシーズン終了となり、在庫は低位となっている。原油処理は376万キロリットルで6万キロリットルの増となっている。一方、トッパー能力は395万キロリットル/日となり、400万バーレル/日を割った。3月初めの439万バーレル/日に比べると約44万バーレル/日が削減された。その結果、稼働率は86%(3月は83%)、定修などを除く実稼働率は89.7%とアップしてきた。5月に入ると定期修理となるため、トッパーはフル稼働となる。今後は需給が締まり、業転の値上がりが見込まれている。
 在庫は前年に比べると大幅な減少で推移しているが、業転が本格的に値上がりするまでには至っていない。減販傾向を受けて各社は減産で対応しているため低在庫で推移しているが、それ以上に減販となっているため需給はタイトとなっていない。
 各社の供給対応策をみると、社間の融通、輸送の効率化、在庫管理の徹底などにより、低在庫でも供給が確保されている。今後は設備処理の効果、定期修理の実施というダブルの効果を発揮することで、需給がタイトになると見込まれている。
 加えてゴールデンウィークでのガソリン増販は期待ができる。160円/リットル台という高値になり、消費節約の心配もあるが、好天気に恵まれれば増販も期待される。この時期が春の行楽で増販が狙えるチャンスであり、数量を増やしながらも、適正マージンを確保することになる。連休での市況形成、需給状況が大きなヤマ場となる。
 設備処理によって稼働率はアップしたが、さらに、これから製油所の定期修理に入るため、実稼働率は大幅にアップして100%に近づき、需給はタイトになる。その結果、業転市況が値上がり、仕切価格との価格差が是正されると販売業者は見込んでいる。
 現在も前年に比べると低在庫で推移しているため、ここで需給調整の環境が整備されることになれば、業転問題が解決するとの期待感が強い。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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