日刊ニュース

2014.06.12 のニュース

新体系 改定方式に不透明さ残る-末端はコストに見合った市況形成を-

6月からコスト(原油価格)連動方式へと移行したが、販売業者サイドでは、①今までの通常の改定方式と、どのような違いがあるのか不透明である、②以前の月決め制のコスト変動方式と考えは同じで、これが週決めに変わったものなのか、③コストとみる足元の原油価格(円/キロリットル換算)は、どの原油を対象としているのか、④新体系への移行直前に仕切価格を調整(値下げ)したが、今後も事後調整が復活するのか、などいろいろな憶測が出ている。
新体系への移行前では、スタート時での大幅な値上がりを予想していたが、結果的にはJX、出光が1円80銭/リットル、他社も1円程度値上げとなり、通常ペースの改定となった。販売業者は小幅な値上がりで安心しているが、鳴り物入りでの改定が伝えられていたため、拍子抜けに感じている。それでもコスト変動を機に、元売はコスト分は完全に回収することになり、赤字を解消する方針で臨むため、販売業者もコスト(仕切価格)に見合った販売が求められることになり、「コスト十適正マージン」による販売となる。
元売サイドでは3月決算が赤字となったため、決算の発表時はこの赤字を深刻に受け止め、赤字を挽回するためにコスト連動方式への移行が強調された。そのため大幅値上げが予想されたが、元売も4月以降はマージンが改善されつつあるためか、新体系では小幅な値上げにとどまったようである。
コスト変動方式は、過去において月決めで実施されているが、当時は仕切価格が月単位で改定される商慣行が残っており、SSでも月単位の掛売が多かった。しかし、原油価格が変動する時代となり、翌月の値上げが見込まれると月末に仮需要による買い溜めが起こり、逆に値下げが予想されると買い控えが発生するため、元売にとって不利益となった。
そのマイナスを解消するため、週決めの市況(業転)連動方式に変更され、08年10月から実施した。スタート時は「公正で透明である」として販売業者も歓迎したが、タイミング悪く、その直後から原油価格が急落したため、元売は赤字となった。そこでブランド料として4~5円/リットルを加算。結果的には業転と系列仕切価格との価格差を拡大させることになり、今日の業転問題に発展しているものである。
さらに週決め方式でも、変動幅が大きい時期には週中での改定も実施され、これも現実的でないとして中止とするなど、一部手直しも行なわれた。仕切価格の改定日も、主に金曜日に通知、土曜日から実施であったが、今回の新体系への移行から、改定実施日は火、水、木曜日となった。
足元の原油価格(ドバイ)は105~106ドル/バーレルが、為替は102円/ドル程度で安定して推移しており、今後も大きく変動することはないとみられる。仕切価格は6月1日からは値上げとなったが、その後は据え置きとなったため、販売業者も現在の仕切価格がベースとなるとの判断から市況対策に取り組むことになり、首都圏での街道沿いのボトムを165~166円/リットルを再度狙うことになった。本来は、適正マージンを確保するにはさらなる値上げが必要だが、市況が下落傾向にある状況下で、高値による減販を心配してか166円を目標としている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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