2014.07.09 のニュース
ガソリン高値を維持 定期修理明けが焦点に
節約による減販が心配ガソリン市況は170円/リットル相場に近づいており、高値感から減販も心配されている。石油情報センターの調査価格は168円/リットルとなり、10週連続の値上がりとなっている。首都圏の街道沿いのボトム価格は168~169円となり、170円に迫っている。原油価格はドバイで110ドル/バーレル、為替が102円/ドルを反映しているもので、高止まりで推移している。原油価格は、今のところ小康状態であるが、イラク、ウクライナ情勢など不安定な状況が続いている。アメリカは株価の上昇もあり、各経済指標が好転すると原油価格に連動するため予断を許さない。国内市況は値上がりしているが、製油所の定期修理のため需給が締まり、業転市況も値上がりしている。だが、定期修理は8月にかけて終わるため、定修明けとなり、増産となっても市況が維持できるか否かが焦点となる。ガソリン販売は減販が続いているが、7月~8月での夏場商戦には増販期待が強くなっており、ここで販売数量が落ち込むと販売業者の経営状況は厳しくなり、価格競争が激化する心配が残る。
ガソリン販売は減販が続いている。4月は消費税の増税で8・8%減、5月が3・8%減、6月も3%程度減少が続いているもので、今後も減販が見込まれている。それでも7~8月は夏場の需要期であるため増販期待が強い。7月に入っても天候不順が続いているが、景気回復による夏休みの車の利用増加が期待されている。
ただ、高値による節約が心配されており、2008年8月の185円相場の再来を心配する見方もある。今回は170円相場に近づいているが、その中には4月からの消費税の5円の値上げが加算されており、実際の値上げ分は5円程度となる。
ガソリン高値が伝わっているが、原油価格の上昇と消費税の増税を反映しているものである。ガソリンは150円を越えると高値感から需要が落ち込むとの見方もあるが、販売業者も、ここは我慢して適正マージンを確保する時期にある。
幸い、第一次の設備処理が終り、定期修理時期にあるため需給はタイトで推移しており、業転市況も値上がり、安値は底上げされている。販売業者サイドも安値競争には疲れ、市況立て直しに取り組む動きをみており、足並みも揃ってきた。
ただ、これから定期修理が明けると、各社が一斉に増産に取り組むことで供給増が心配となる。しかし、ガソリンはこれからが増販が見込まれるため、需給はバランスを保つとみられる。足元は180万キロリットル割れの低在庫であるため当分の間は供給増とはならない。