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2014.07.28 のニュース

エネ研 2015年度までの石油需要見通し ガソリン5300万kl台へ~減少トレンドが顕在化~燃料油全体では1億7000万kl台

 日本エネルギー経済研究所は24日、2014~2015年度の燃料油・LPG販売量の見通しを発表した。燃料油販売量は、減少トレンドが再び顕在化。2年後には約半世紀ぶりの1億7000万キロリットル台も予想される。2015年度は1億8170万キロリットルを見込んでいる。
 燃料転換、自動車の燃費効率改善など省エネルギーの進展に、原子力発電再稼働に伴う電力用C重油の減少や原油価格の高止まりで減少トレンド(各1.4%減)が継続。2014~2015年度の減少量はあわせて1200万キロリットル近くになる。
 ガソリンは、低燃費車の普及拡大や軽自動車の保有台数増加に伴う燃費改善などの影響で1%台半ばの減少トレンドが継続。2015年度の販売量は5380万キロリットルで、特石法廃止直後の1996年度以来となる5300万キロリットル台となる。
 ナフサは、2014年度はプラントの定修や閉鎖の影響により、減少(0.6%減)。2015年度はエチレン生産量の回復に伴い増加(0.5%増)。他油種の減少傾向が続く中、ナフサは相対的に堅調であり、2015年度には燃料油販売量に占めるシェアは初めて4分の1を超える。
 灯油は、電力・都市ガスヘの燃料転換が継続的に進むことから、長期トレンドに沿い減少。2015年度の販売量は、10年前の6割程度にまで減少する見込み。
 軽油は、2014年度は震災復興需要が底堅く推移する一方、ディーゼル自動車の保有台数減少の影響などにより横ばい。2015年度は経済成長に伴い生産活動や荷動きは活性化するものの、輸送効率の改善傾向が効き、わずかではあるが4年ぶりに減少に転じる(0.1%減)。
 A重油は、環境対策や原油価格止まりなどを背景とする都市ガス等の他燃料へのシフト、省エネルギーなどにより4%台後半の減少トレンドで推移。
 C重油は、電力用は他電源による代替に伴い大幅に減少(2014年度:16.1%減、2015年度:30.5%減)。その他用も燃料転換や省エネルギーなどで減少。2015年度には、燃料油販売に占めるB・C重油のシェアは過去最低の7.8%に。
 LPGは、2014年度は化学原料用、家庭用などが回復し増加(1.9%増)するものの、他燃料へのシフトもあり、トレンドとしてはほぼ横ばいで推移する。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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