2014.08.08 のニュース
4~6月決算は黒字と赤字に-マージン改善も減販で相殺される-
元売各社の4~6月別決算が発表されているが、セグメント別でみると石油事業(石油製品)では黒字と赤字に分かれる結果となった。4~6月販売は、4月からの消費税の増税を機に大幅減販となり、引き続き高値による減販となっている。原油コストの転嫁は進み、製品マージンが改善されたため黒字に転換した会社も出たが、減販に相殺された形で赤字となった会社もある。
出光興産の石油製品の営業利益は71億円(前年は41億円)となり前年比で30億円の増益、在庫影響除きでは103億円(65億円の損失)となっている。「在庫影響による減益要因はあったが、製品マージンの拡大による増益」を要因にあげている。その他、石油化学が65億円、石油開発が91億円、石炭が3億円となり資源計で94億円(15億円)など、営業利益の合計では220億円(136億円)で84億円の増益、在庫影響除きで246億円(24億円)となっている。
昭和シェル石油の上半期(1~6月)の石油事業の営業利益は51億円となり前年比では326億円の減益となった。在庫影響を除くと8億円の利益となる。1~3月の営業利益は2億円であったが、4~6月では製品需給バランスの改善や原油コストの卸価格への適正な反映が促進されたことで、1~3月に比べて利益は大幅に改善したことになる。エネルギーソリューション事業の営業利益は111億円で63億円の増益となり、合計では168億円(432億円)となっている。
コスモ石油の石油事業の経常損失は61億円(前年は129億円の損失)となり、前年が大幅な赤字であったため68億円の改善となった。販売数量は減少したものの、製品市況が好調であったため収益は大幅に改善したが、赤字となった。石油化学は18億円の損失(19億円の利益)で37億円の減、石油開発が96億円の利益(120億円)で24億円の減となった。合計では、石油、石化の赤字を石油開発の黒字でカバーして21億円の黒字となった。
JXの石油製品は、在庫影響除きで242億円の損失(257億円の損失)となった。前年も赤字であったが15億円改善となった。マージンは改善したが、減販と室蘭の停止が影響したことになる。石油化学も19億円の損失(224億円の利益)となり、243億円の減益となった。エネルギー事業全体では261億円の損失(33億円の損失)となった。石油・天然ガス事業が200億円、金属事業が97億円となり、エネルギー事業の赤字を相殺して経常利益は149億円(725億円)となり、在庫影響除きでは129億円(417億円)となった。
東燃ゼネラル石油は、1~6月期決算を14日に発表するが、その前に下方修正を発表、営業損失は164億円(前回予想は損益ゼロ)としている。1~3月の営業損失が136億円であったため、4~6月では悪化したことになる。製品輸出のマージンが予想より低減したことに加え、減販が想定を上回ったための下方修正となった。
4~6月は、消費税の増税を機に、前年比5~6%の減販となり、マージン増を相殺した形となるが、7月以降は、ガソリンの需要増とマージン改善が期待されている。