日刊ニュース

2014.10.09 のニュース

石油各社 減販予想で減産対応 業転放出を避ける~仕切価格で市況維持~

台風の到来で天候不順となり、ガソリンなどは減販が見込まれることから、各社とも減産で対応して需給調整に取り組んでいる。供給増による業転市場への放出を避けることで市況維持に努めており、値取りを優先としている。仕切価格は据え置きが続いているが、末端市況は小幅であるが、続落傾向をみせているため、下げ止めを狙っているが、原油価格は、ドバイで90ドル/バーレルへと下落しているため難しい状況にある。元売サイドは、先物、業転市況が値差がりしているものの系列仕切価格は維持させているが、末端市況の動向によっては、値下げ対応も予想されている。各社とも販売数量増よりも値取りを優先することで安値での業転市場への放出を我慢している。上期は定期修理もあって実質減産となり、供給増を回避してきたが、下期は需要期であるため、減産対応で需給調整して市況安定化を狙うことになる。
 ガソリンの減販は、減産で対応している。台風などの天候不順と高値による節約から減販はやむを得ない状況にある。7~9月は大幅減販となり、10月からの下期に期待をかけたが6日の台風が関東を直撃したため減販が心配されている。
 石油各社の7~9月の業績は、先物の原油とガソリンとのスプレットからみてもマージンは確保されている。減販による影響もあるが、7~9月は4~6月に比べると、利益は維持されたようである。しかし、下期入りの足元は減販より市況下落が心配される状況にあり、各社とも減販で対応して市況維持に努めている。安値での増販を狙うより、ここは我慢して市況維持に努めることでマージン確保を狙っている。
 ポイントとなる原油価格は、下落傾向にあるため難しい状況にある。本来ならば、値下がり局面であるため、我慢して市況維持すればマージンを確保できるチャンスであるが、値下がり局面になると先取りして値下げすることが石油業界の悪い慣習として残っているため、自制が求められている。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
〒112-0004 東京都文京区後楽2丁目22-3
TEL:03-3814-4728
FAX:03-3814-4745
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE