2014.11.05 のニュース
連続値下げに終止符を打ち 底固めから市況対策を再取り込み
11月入りとなりガソリン商戦は、年末の需要期に向けた新たな取り組みとなる。連続値下げに終止符を打って、底固めから市況対策は再スタートになる。
仕切価格は、10月に入り、累計で7円の大幅値下げ(JXは平均で3円90銭下げ)となったが、ようやく据え置きとなったため、市況の立て直しを図ることになる。また、灯油商戦もスタートするが、冷え込みも早いためSSにとっては増収、増益が狙える時期となる。
ガソリンは石油情報センターの調査価格(27日)は平均で161円80銭/ となり、前週比で2円10銭の値下がりとなり、15週連続の値下がりとなった。東京は162円で160円を維持しているが、神奈川が159円、埼玉が156円、千葉が158円となり、160円を割っている。安値は140円台となっているため、市況対策に取り組むとなると、まず、安値の底上げとなる。
平均の162円は、7月の170円に比べると約8円の値下がりとなるが、実勢は15円の大幅値下げとなる地区もある。足元の末端市況は値下がりが続いているため次回調査(4日)では、さらに値下がりが予想される。今後は値下げを喰い止めてから値上がりに転じるとみられるが、市況下落の後遺症も残っており、販売業者に足並みが揃うのかは、もう少し様子をみることになる。
今後の原油価格、為替の見通しは難しいが、ドバイで84~5㌦/バーレルで安定して推移している。為替は109円/㌦と円安となっており、原油コストは、下げ止めから反発しそうである。
原油価格は、11月27日のOPEC総会での減産合意が成立するのか否かが焦点となる。さらに地政学的リスクが再発するか否か、世界に経済動向、天候など絡むため流動的であ
るが、需要期に入るため、現在の80/台を割ることはないと予想されている。
一方では、アメリカのシェールオイルのコストが80㌦が限界であり、その生産を抑えるため、原油安を誘導する説、大産油・ガス国であるロシアの経済を弱体化させる、などのシナリオもあるが原油価格を操作することは難しい。
原油価格、為替は予想が不可能であるため、石油業界では、コスト変動には、常に対応が出てきる体制を備えることが重要となる。元売、販売業者は、原油コスト変動に対応し
た週決めの価格体系には、慣れて定着しつつある。だが、ユーザー転嫁では、値上げ時は遅れ、値下げ時は先取りして早く下落するのが通常である。そのため今後は、足元の続落
を喰い止め、安定化させるかがポイントとなる。
すでに量販店では140円台に値下げしており、この安値に追随して、再値下げに動くのかも気になるところである。ここは値下げに終止符を打って底固めすることになる。
また、灯油商戦は、シーズン入りとなるが、幸い、冷え込みも早く、北海道では、初雪が降り、恵皿も木枯らしが吹くのなど、増販が期待されている。夏場のガソリン販売が低
調であったため灯油の増販でカバーしたいところである。
販売数量は、基調は減販となるが、昨年は暖冬のため販売が落込んでおり、増販も期待できそうである。8~10月で仕切価格は値下がりしたが、相場つくりはこれからであり採
算は確保できる。