日刊ニュース

2015.01.29 のニュース

SSの未来を蝕む下げ過ぎ

生活や行楽のために気軽にアクセルが踏み込める、目覚めたらすぐに暖房・給湯の石油機器のスイッチをオンにできる。そんな日常が家庭に復活でき得る経済的レベルに石油製品が戻りつつある。確かに値ごろ感というレベルにガソリンや灯油は近づいている事実はあるが、それが実需という実体を伴っているかというと、残念ながらそれはまだ顕在化していない。むしろ永久に顕在化しない可能性のほうが強い。
長らく家計の可処分所得が低迷する中で、ガソリンは同様に長く150円超、灯油はこの9月までは今期18㍑2千円も危惧される高値となっていた。これによってほぼ習慣付けられた全般的な消費節約は、依然として続いているとみて良い。地方生活者を含めて、アベノミクスの恩恵が広がるまで、まだ時間を要するだろうし、クルマや家庭における脱・石油の潮流が緩くなっているわけでもない。原油の値下がりを超える卸下げに踏み切れる元売があるわけでもなく、ましてや昨年4月のダブル増税以降、ぎりぎりの経営を強いられてきた大勢のSSには卸を超える小売値下げに踏み切れる耐性などあろうはずがない。
年始以降の消費税別小売価格は、ガソリンは累計㍑8・8円、灯油は7・7円各値下がりした。同一時期のガソリンと灯油の卸は累計で6・5~8・5円の値下げアナウンスしかされていないから、SSのガソリン収益は明らかに年末比で出血が拡大している外観だ。今週のガソリン卸はEMGの1円下げのように、これまでの棒下げ状態からやや緩やかな値下がりアナウンスが軸となりそうだが、本日公表の今週のガソリン小売平均も3円強の大幅値下がりが避けられない模様だ。これで12月2週以来、7週連続して週3円刻みの値下がりを記録することになる。前週よりも平均的な出血が大きくなることを意味するもので、平均よりも下げ幅が大きいガソリン激戦地では、より深刻な事態を招く。
そうした激戦地における下げ過ぎをリードしたSSに聞きたい。お客様は増えましたか。商圏内のライバルの追従で元の木阿弥に終わりませんでしたか。他店のお客様よりも笑顔の度合いが異なりましたか。卸見合いの下げにとどめたSSSのお客様と同じではありませんか。SSスタッフに待遇で報えましたか。疲労困憊の度を強めただけではありませんか。

提供元:全国石油商業組合連合会
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