2015.02.09 のニュース
ガソリン市況立直しの準備 原油下落で様子待ちに戻る~先物も値下がり都合による~
ガソリンの仕切価格は2週連続の値上がりとなり、販売業者も市況立て直しの準備に入ったが、原油価格は4日にWTIが急落するなど見通し難となっている。WTIは52ドル/バーレルであったものが、4日には48ドル台に急落した。アメリカの在庫増加が反映したもので、これを受けて東商取の5日の先物はガソリン、灯油が2円強の値下がりで52円となってきた。1月末に原油価格は50ドル台に乗せて値上がり基調に移行しており、ガソリンの仕切価格が値上がりに転じてきた。2週連続で2~3円の値上がりとなったもので、今までの下げ過ぎを是正する時期にきたものとみられるが、4日の原油下落、先物も値下がりに転じたため、市況立て直しのタイミングが難しくなってきた。
原油価格が4日に急落、これを受けて東商取の先物もガソリンは2円/リットル程度の値下がり傾向をみせているため、市況立て直しの準備も様子待ちとなりそうである。
2週連続の値上げとなったため、昨年7月以降の下落から下げ止め、さらに値上げに取り組む構えで準備に入った。その矢先の急落で出鼻をくじかれた感じとなってきた。
原油価格は1月に入って一段と下落して40ドル/バーレル台となった。これ以上の値下がりは難しく、底を打ったとみられ、月末から値上がりし、2月に入って50ドル台に乗せてきた。シェールオイルも減産に追い込まれてきたため、石油需給は締まるとの見通しとなったが、アメリカの在庫増を受けて下落した。これが一時的な現象なのか原油への影響をみる必要もある。
2月に入って50ドルへと急騰したため、元売の仕切価格の値上げに踏み切ったことがあるが、原油も40ドルが底値とみられて今後の値上がりが見込まれている。
ガソリンの末端市況も安値(セルフ)の量販店、PB、HCなどは120円/リットルを割っているのと街道沿いも120円台で125~6円が中心値となっているため、このあたりで下げ止めの相場感が出始めてきた。
値下がりしたことによって需給回復を期待しているが、これも限界があり、これ以上値下げしても増販増益に結びつくことは難しいとの見方から適正マージン確保を求める動きも出てきた。
120円相場となれば、昨年夏場の170円相場に比べると50円の値下がりであるため、安値感も定着しており、限定給油から満タン給油に変わってきたこともあり、需給も安定して推移するものとみられている。そのため無理をして安値で増販を狙う動きも下火になりそうである。