2015.03.03 のニュース
長期エネ需要見通し 小委開く 最終エネ消費377百万kl~エネ対策など差し引き算出~
総合エネ調・長期エネルギー需要見通し小委員会(第3回会合)は、2月27日に開催された。①エネルギー需要見通し、②省エネルギー対策について審議した。エネルギーでは、2023年度までの実質成長率を推計する必要がある。経済再生ケースでは、2013~22年度の平均成長率は1.7%であるが、2030年度の実質GDPを推計すると、711兆円となる。これを前提とすると、最終エネルギー消費は377百万キロリットル(2012年は365百万キロリットル)、電力需要は1兆1440億kWh)と試算される。これらはあくまで、省エネ対策前の最終エネルギー需要の見通しであり、今後、具体的な省エネ対策の効果を検討した結果を差し引き、省エネ対策後の最終エネルギー消費(対策後)を試算することとなる。需要見通し、電力構成が重要となり、これは省エネ、再生可能エネルギーの目標を組み込み、残りを化石燃料、原発の依存度を決めることになる。
省エネルギー対策は、産業・転換部門におけるベンチマーク制度の実態を事務局から説明があり、エネットから業界のスマートサービスへの取り組み、コマツから電力削減の取り組みについて、実例をあげてヒアリングが行なわれた。
省エネ対策は、鉄鋼、石油化学、製紙、運輸関係の目標値と実施策などが提示されているが、産業分野では国際競争力、生産性の向上が求められている。
省エネからの議論は、供給面から地産地消、分散化電源も重要となる。電源立地、送電ロス、コージュネなども議論すべきである。
大企業での省エネ対策の成功例は理解できるが、家庭、中小企業向けの施策など実行性のあるものを提示して欲しい。家庭向けの省エネに対しての目標と行動に結びつける具体的な例を示すべきである。地方での見える化を推進すべきである、などの意見も出た。
最後に、坂根委員長は「エネルギー需要見通しは、2030年を目標として将来に見定めることになるが、15年後の2020年の見通しを策定することも考えてもよいのではないか。エネルギー基本計画は3年ごとに見直しすることになっている。省エネと再生可能エネルギーを徹底的に審議して方向を示すことが、この小委の役割である。その後に原発、化石燃料を決めることになる」と述べた。
月2回ペースで開催されているが、夏頃には中間報告をまとめる予定で、石油業界に対してのヒアリングも5月に予定されている。