日刊ニュース

2015.03.24 のニュース

石油の役割、重要性を議論へ 石油火力の位置付けの再評価を

 石油連盟は、15年度の事業計画を決めた。重点策としては、新たなエネルギー政策への提言として、現在、審議中であるエネルギーミックスにおける石油の重要性、電源ミックスにおける石油火力の位置付けの明確化をすることを提言している。この要望は以前から行なわれているが、夏ごろには中間報告をまとめるため、石連として方針を打ち出したもの。石油業界として意見を述べる機会もあるが、ここ数か月がヤマ場となる。
 木村会長も「現在、エネルギーミックスが議論されているが、その議論は原発、再生可能エネルギーが中
心となっているが、石油の重要性、石油が一次エネルギーに占めるシェア(石油依存度)は一番高いことから石油を重視した議論をすべきである」と語っている。
 現在、エネルギーミックス小委での議論が行なわれているが、電源構成に占める省エネルギー、再生可能エネルギーの議論から入っており、石油、原発の議論は後回しとなっている。まず省エネ、再生エネでどこまで確保できるのかをツメ、その後に残る化石燃料と原発を審議してカバーすることになる。原発の再稼動が、どこまで認めるかも議論となるが、政府は規制委が安全を認めたものは、再稼動を認める、40年廃炉などを配慮して試算すると原発は15~20%との意見も出ている。
 再生エネも、当面は太陽光発電のウェイトが90%以上とみられており、導入に際しては、送電網の整備などのコストの負担増が問題となるが、最終的には電力料金の値上げでカバーすることになり国民が負担することになる。電力会社がカバーすべきであるとの議論もあるが、民間企業としての限界もあり現に電力料金は値上がりとなっている。今後も電力料金が値上がりすることになれば企業の海外移転が増加し、空洞化が進み、国内の雇用問題にも発展してくる。再生エネのコスト増は、最終的には国民が負担することになり、この点をよく説明することが重要となる。
 固定買取制で太陽光の導入が増加しているが、投資コストを回収ができ利益が期待できるためである。導入者の利益が見込まれることは買取料金が割高となり、そのツケを消費者が負担することになる。
 そのため買取価格も値下げとなっている。非住宅用太陽光は10kWh以上が平成26年度が32円であったが4月~6月が29円(買取期間20年)、7月以降が27円(20年)に、住宅用10kWhは37円が4月以降が33円(出力制御対応機器設置義務なし=10年)と35円(設置義務あり)となっている。
 その他の水力、地熱、バイオなどは、リードタイムも長く、リスク、コスト高であるため、据え置きとなっており、太陽光が特化していることになる。
 最後に残るは石油、石炭、LNG等の化石燃料となる。石油火力は、東日本大震災を機に、原発の停止による不足分を急遽カバーする役割をはたして評価された。休止していた石油火力を立ち上げなど緊急時用として活用された。
 困った時の石油頼みとし役割をはたしたが、安定すると割安な石炭、LNGにシフトすることになる。緊急時のみ供給確保を要請されるのではなく、平時からの安定需要が確保されるべきと要請しているもの。さらに、石油火力は、現在、新設が認められていないため、新設、リプレースを認めるなど位置付けを提言している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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