日刊ニュース

2015.05.21 のニュース

「内需減>SS減」時代が到来

総合資源エネルギー調査会の昨年7月の中間報告で、石油に対して求められた「単に販売量の拡大を目指して価格競争を行うのではなく、適正なマージンを確保して産業全体としての収益性を維持・向上させて必要な再投資を行う」ということに対して、SSの概況は「販売量の拡大に終始し、著しくマージンが毀損した」。同様に、「公正・透明な価格指標を含む適切な価格決定メカニズムを構築することが不可欠である」ということに対して、「不公平・不公正・不透明が深化し、系列仕切りは、ほぼ建値と化した」。
 この2つの課題に対する精販の自助努力は、いずれも「不可」という総合エネ調からの判定となるし、自己評価も同様であろう。特に原油が底を打った2月以降は、元売収益の急回復がある一方で、SS収益は大きく損なわれて今日に至っており、「不可」の度合いが増している。
 SS数が6万421ヵ所のピークを数えた1994年度末(95年3月末)。あれから丸20年が経過したこの3月末のSS数は、エネ庁統計よりも一足早くまとまった元売系列SS数(前年度比673ヵ所減の2万5275ヵ所)から推計すると、18年ぶりに1千ヵ所を下回るSS減少にとどまる可能性がある。仮に906ヵ所減少したものと推計すると2014年度末(15年3月末)のSS数は3万3800ヵ所となる。
 20年間7305日で2万6621ヵ所の減少となり、1日平均3・64ヵ所のSS減少と算出できる。この間にセルフ解禁が行われるなど、SS新設も相当数あったから、丸20年間にわたって1日4ヵ所を超えるSS閉鎖が発生したものと概算できる。現実に過去10年間では1万4872ヵ所減、1日4・11SSという恐ろしいペースだ。
 後継者不在という人的側面もあっただろうが、この惨たんたる業況の背景に、冒頭の2つの大問題が居座ったまま20年が経過し、多くのSSが合理的とは言い難い不公平・不公正・不透明な卸価格によって、自助努力の限界を迎えた。
 14年度のガソリン内需は、前年度比4・5%減という戦後最大の減少率を記録し、906ヵ所減=2・6%減というSS減少率を大きく上回った。ここから推計する1SSあたりガソリン平均販売量も初めて減少したことを示す。2つの課題について、せめて一歩でも前進させるべく、組織活動の新年度が始まる

提供元:全国石油商業組合連合会
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