日刊ニュース

2015.05.25 のニュース

コスモはどこへ向かうのか

この発表から遡ること2日。期末連結決算と合わせて、同社の持株会社体制への移行が取締役会で承認。概要が発表された。持株会社のコスモエネルギーホールディングス傘下では、供給を担う「コスモ石油」、開発を担う「コスモエネルギー開発」、販売を担う「コスモ石油マーケティング」の3社が中核を成す。トッパーの廃棄・停止を軸とする前述の施策は供給を担う「コスモ石油」の範疇となるから、その意味で新生「コスモ石油」は誕生早々、生産能力の36~37%削減という急激なスリム化を経験することになる。
 記者発表の席で経済紙の記者から「切り売り」との指摘まで受けた持株会社移行、そして精製部門における提携の動きだが、森川社長はこれを明確に否定。「合理化・効率化、ダウンサイジング、そしてシナジー」とその目的を強調する。確かに、先般の出光による昭和シェル買収報道に象徴されるように、再編最終章へ向けた元売各社の動きが水面下で活発化する中、森川社長の言葉通り、コスモの動きは先駆的な役割を果たすとの見方もできる。
 一方で、販売業界に身を置く者として気になるのは、やはり販売への取り組みだ。精製能力削減と他社との連携という明確な方針を打ち出す供給部門、アブダビでの新鉱区取得やスペインの石油会社・セプサとの連携など着々と次の一手を打ち続ける開発部門に比べて、販売部門の方向性はどうか。
 スマートビークルが太い柱であることは理解できるとして、これが特約店から販売店の津々浦々まで浸透しているか否か。その流れに乗れない販売業者がいたとして、それでもコスモブランドの価値ありと強くアピールできる関係性は構築されているか否か。そうした根源的な命題に明快に回答する時、だれも「切り売り」との指摘などできなくなる。コスモはこれからなにを目指しどこへ向かうのか。系列販売業者はいま、固唾を呑んで見守っている。

提供元:全国石油商業組合連合会
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