日刊ニュース

2015.05.29 のニュース

ミックス小委、たたき台を元の審議 次回でエネ計画案を策定へ

 総合資源エネルギー調査会長期エネルギー需給見通し小委(エネルギーミックス小委)は26日に開催され、事務局が提示されたたたき台を中心に審議、各委員から意見を組み入れて計画案をまとめることになった。すでに前回で2030年度の見通し(数値)が提示されおり、たたき台を基にした議論を深めエネルギー計画案を策定することになる。各分野から意見が出されており、次回では計画案を決める予定である。
 今回の小委では、省エネ、再エネの議論を先行させ、原発問題は地方選挙があったため後回しとなり、原発問題は正式の議題として審議したことはなく、時間的な制約もあり一気に、構成比が前回(4月28日)で決まった。
 木村・石油連盟会長は「明確な石油の位置付けなど要望していたが決まった。しかし、3年毎に見直しが行なわれるため、その時点で現実的な調整が可能である。石油は今後も一次エネルギーの太宗を占めており、安定供給に努めたい」と述べている。今回は、エネルギーの太宗を占める石油業界の要望等を聞く時間もなく一気に政治ペースで決まり、小委は事後承認ということになった。
 すでに数値が決まっているため、今回の審議は文言の中での表現の扱いとなった。石油政策などは28日に石油・天然ガス分科会(12回)で審議することになっている。分科会で石油の位置づけなどを再確認することで幕引きとなるようである。
 そのため2030年度の一次エネルギー供給に占める石油の構成比は30%と決まり、13年度の40%に比べると約10ポイントの減となる。LPGは3%(13年度は3%)となる。前回の事務局案では、石油の区分にLPGを含めていたが、今回は「石油」と「LPG」を区分しており、従来通りLPGを3%と位置づけている。
 電源構成では石油は3%となり、13年度の15%からは大幅減となる。震災前の10年度が8%であったが、原発の停止で12年には18%へ増加した。その後は減少しているが、30年度は3%に低下する。石油火力の見通しは「燃料価格は高いが緊急時の対応のため、ある程度の量は維持することが必要となる。設備の状況を踏まえると、事業用では365億kWhを下回ると見込まれるものの99億kWh以上を確保し、自家用とあわせると総発電量の3%(315億kWh)程度を確保する」としている。
 石油火力は新増設がなく老朽化しており、燃料費も高く、CO2対策から石油火力に対する風当たりが強い。それでも震災時は石油がバックアップ電源をして役割をはたしている。
 一次エネルギー供給の構成は、①自給率(原発と再生エネ=原発を含む国産エネルギー)を25%程度(現在は9%)に引上げる、②電源コストを引き下げる、③世界をリードする温室効果ガスの削減目標を掲げる、との前提をベースに打ち出した。
 一次エネ供給での構成比では原発が11~10%(13年度は0.4%)、再エネが13~14%(8%)で自給率は24.3%(13年度は9%)となり震災前の20%を上回ることになる。これに天然ガスが19%(24%)、石炭が25%(25%)、石油が30%(40%)、LPGが3%(3%)となった。
 電源構成では再エネが22~24%(13年度は11%)、原発が20~22%(1%)、LNGが27%(43%)、石炭が26%(30%)、石油が3%(15%)となる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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