日刊ニュース

2015.06.01 のニュース

6千億㌔㍍の走行支えるSS業

ガソリン自家用車の年間平均走行距離は、2013年度時点で前年比2.5%増の8900㌔㍍で、うち旅客用途の「普通車」が1.7%減の8700㌔、「小型車」が1.7%増の8900㌔、「HV」が2.4%増の1万3千㌔、「軽自動車」が4.1%増の8300㌔。自動車の使用者1万人弱を対象とした国交省調査の概況だが、よく言われる年間1万㌔には達していない。これによれば、HVの走行距離は登録車の約1.5倍と“実用”されている様子が浮かび上がる。また、軽自動車も伸び率が最も高く、登録車に接近しつつある。
 走行距離の累計は6296億㌔。1年間に地球1574万周分の距離をガソリンで走り回り、これを我々石油販売・SS業が供給している。運輸局別の構成比は関東25.7%、中部15%、九州14.2%、近畿12.9%、東北9.4%、中国7.5%、北陸信越7%、北海道4.4%、四国3.9%の順で、前年比伸び率としては全国平均の3.2%増に対し、関東と近畿が0.7%増にとどまっている反面、九州8.5%増、中国と四国各5.8%増、東北4.2%増と伸張。総走行距離の伸びは近年堅調だ。
 一方、ガソリン消費量は3年連続増という結果で、エネ庁統計とは異なるが、これをもとに計算するとマイカーの平均燃費は0.1㌔良化の11.1㌔。10年度比でも0.4㌔の良化と、新車代替に伴う燃費向上がみられるものの、その改善ペースは使用期間の長期化などが影響している模様で緩やかだ。低燃費を全面に謳う「HV」が16㌔、「軽自動車」が13㌔強だから、低年式車を含んでいるとしてもカタログ燃費とのかい離は大きい。仮にエネ庁統計のガソリン販売量に置き替えて試算した場合でも11.7㌔。両統計の差は5%程度となる。
 エネ庁のガソリン内需見通しは、15~19年度の5年間で年平均1.8%減、5年後には8.9%のガソリン需要が消失するとされた。この予測に抗うとすれば、少なくとも走行距離が伸びるか、燃費が悪化するかが必要となろうが、後者は非現実的。走行距離伸長には可能性もあるが、最も優先すべきは、5年後の減販にも耐え得る経営基盤を構築することだろう。「自助努力」の重みは一層増しているし、これを無駄にするような不公正は一刻も早く排除し、競争秩序を確立させねばならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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