日刊ニュース

2015.06.16 のニュース

石油販売業の矜持つなごう

全国・各都道府県の総(代)会がほぼ終了した。各地で組合役員、組合員が集い、石油販売業・小売業の存続や繁栄に資する今年度事業計画を策定。本紙はキーワードとして「難局打開」「組織力結集」「使命」「挑む」「意識改革」「前進」「次代へ」などと見出しに掲げた。
 組織活動では政治や行政、元売との対話や要請など全国・都道府県レベルの課題を取り上げることも多いが、他方、問題や懸念をもたらす事象は身の周りにある。組合の原点が「向こう三軒両隣」などと言われてきた所以だ。3軒が30、300、3千、3万超へと広がっていったのが組合の歴史ともいえる。ここ20年でSS数が激減したとはいえ、我々のネットワークが国内有数の規模かつ重要性を持つ。安定供給や安心提供の強固な拠点となるためには、同業者仲間の絆でこの礎を固め直す必要があるのではないか。
 某地域では「顔の見える関係」を再構築すべく、支部員歴訪を開始。地場業者が撤退し、相対的に出先業者が増える中、地域事情に明るい地場経営者が自ら足を運び、意思疎通に努める。系列の枠を越えて悩みを打ち明け合い、切磋琢磨しながら共存を指向するような交流を図り、油外商品が不足した際には一時的な貸し借りを行えるような信頼関係を作り上げた地域もあると聞く。
 国民経済の健全な発展を目的に、公正な経済活動の機会を確保、自主的な経済活動を促進し、自らの、石油販売業界の社会的地位向上を目指す。これが商組・協組の設立目的であり、その拠り所となるのが石油組合だ。個々では対処しにくい課題を持ち寄り、議論し、改善策や解決策を探り、行動に移す。もちろん、すぐ成果が表れるとは限らない。SSの運営方法や考え方はますます多様化している。難題だからこそ、皆で知恵を絞る必要がある。商環境は以前にも増して急速に変わっている。これに対応すべく、元売各社は中・長期の経営ビジョンを掲げ、大所帯の統率に余念がない。しかし、我々はもっと小回りが利く。鼻が利く。ニーズは消費者や地域、つまり我々の身近にある。その最前線にSSがあり、組合員の皆様がいる。
 精販が消耗戦を続けている場合ではない。手を携え、石油の需要を、石油産業を堅守・進化させていかねばならない。「石油販売業」の矜持を未来へつなぐ。当事者として、この大事な役割を果たそう。

提供元:全国石油商業組合連合会
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