日刊ニュース

2015.07.06 のニュース

軽油・新時代リスクへの備え

かつてNOx、SOx、そしてスス(PM)を撒き散らす元凶とされた軽油車だが、その復権が始まっている。21世紀に入って軽油仕様のRV車がほとんど姿を消し、SS店頭で見られる軽油車といえば、ほぼトラックなどに限定されていたのが一昨年までの光景であった。ところが最近、外見は普通ガソリン車そのものだが、静粛性、低振動のクリーンディーゼルエンジンを積んだ軽油車が目に見えて増え始めている。SOx低減は、元売による軽油サルファーフリー化が牽引したが、国内クルマメーカーにおけるディーゼルエンジンの進化はマツダが牽引した。
 全石連広島総会と同時開催されたSSビジネス見本市に、FCV・トヨタMIRAIとともに、クリーンディーゼル・マツダCXー3が展示され、来場者の耳目を集めていた。マツダのクリーン・ディーゼルは、2012年のCX-5に始まり、昨年10月の小型車デミオ、さらには今年2月のCX-3への1.5㍑エンジン搭載で、一気に国内クルマ市場での存在感が高まっている。これまでクリーンディーゼル車といえば高級ドイツ車や大型RVであったが、今年に入って急速にガソリン車に見えてしまう軽油車が増えている、ということでもある。
 その結果、SSにおける油種間違いのリスクが高まっている。特にモニター監視のセルフでは、お客様の発注間違いが、そのまま油種間違いにつながりかねない。ディーゼル車にガソリンを入れて始動した場合、噴射ポンプと噴射ノズルが損傷する恐れがあり、誤って給油した場合は、始動前にガソリンを抜く必要がある。自らがディーゼル車を購入した本人なら、油種を間違えるリスクは低いだろうが、レンタカーの場合、そのドライバーが外国観光客だった場合も想定すべきであろう。
 国内のクリーンディーゼル車は約20万台とされ、その約6割がマツダ車だという。トヨタも先週27日から国内では8年ぶりとなるディーゼル車の販売を開始した。ディーゼルシフトが進む欧州では、新車販売シェアは5割を超えているという。増え続けるであろうディーゼル顧客の安心・安全のためにも、SS業界としては、給油口の油種明記とともに、口径を変えるなど、セルフ給油の場合でも、お客様による油種間違いが起こらないクルマ側の対応を求めることが必要になる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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