日刊ニュース

2015.07.09 のニュース

高い来店頻度を活かす努力

ガソリンの需要環境は依然厳しい状況が続いている。今年の4月29日から5月6日までのゴールデンウィーク商戦は、原油価格下落で小売価格が値下がりしたことに加えて、全国的に好天に恵まれたこともあって、各観光地周辺などのSSを中心に、「昨年のガソリン高値が効いて、普段は車の運転を控えていたユーザーが好天で近場の観光地などに出かけたりしたようだ」(さいたま市内の販売業者)と、ほっと胸をなでおろしたのもつかの間、「GW明け後は前年割れの状態に逆戻り。あっという間に需要がしぼんでしまったようだ」と、厳しい需要環境に危機感を募らせている。
 このような需要減とコスト転嫁に苦しむガソリン販売に対して、洗車やタイヤ、オイルなどの油外収益が、SSの屋台骨を支える重要な収益の柱になっている。
 近年、自動車ディーラーが定期点検に加え洗車やコーティングなどに取り組む動きが広がっているが、洗車がSSの“専売特許”である状況に変わりはないだろう。もちろん油断は禁物だが。こうしたSSの洗車を支えているのが、SSの高い“来店頻度”であろう。
 SSの来店頻度は、週末だけしか車に乗らないユーザーでも月1~2回、通勤や仕事などで週に1~2回は給油に訪れるというヘビーユーザーも多いだろう。生鮮食料品を扱うスーパーやコンビニエンスストアを除くと、これほど高い“来店頻度”を保持しているロードサイド店舗は少ないだろう。異業種がSS併設を目論むのは、この高い“来店頻度”があるからにほかならない。
 SSは洗車以外でも、タイヤ販売やオイル交換などで長らく独占状態を築いてきた。しかしカーショップやタイヤ専門店、自動車ディーラーなどの台頭もあって、これらの大切な収益の1つひとつがくしの歯が欠けるように減っているのが現状だ。
 しかし一方で、洗車やタイヤ、オイルなどの競争力を武器に高い収益力を誇っているSSが依然数多く存在するのもまた事実である。
 この恵まれた“来店頻度”を活用して、新たな付加価値販売・サービスを見出していく努力が必要であろうし、決して安売りに走るのではなく、洗車、タイヤ、オイルで培ってきた技術力やサービス力をさらに磨き、確実に収益に結びつけていく心構えも重要であろう。この優位性を決して無にしてはならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
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