日刊ニュース

2015.07.24 のニュース

ガソリン下げ止め時期に 原油は横ばいで推移~猛暑で増販期待もマージン減~

ガソリン市況は7月に入り下落しているが、ここに来て原油価格は56-7ドル/バーレル.で安定して推移しているため、下げ止めの状況となっている。ガソリンの末端市況は18-20日の連休で値下りして街道沿いのボトム価格は140円を割っており、量販店(セルフ)も130円割れとなっている。夏場商戦入りとなり、四国、中国、近畿地区では出鼻を台風11号にくじかれたが、これからが本番となる。関東地区も猛暑日が続いているため、これからが増販が見込まれるが、原油価格は60ドル/バーレルを割ったもののその後は比較的安定して推移しているため、仕切り価格は値下げとならない状況にある。イランの核開発問題で合意が成立して原油下落を見込んで値下げすると、販売業者は逆ザヤの赤字となるため慎重な販売方針が望まれている。この時期、増販、増益を狙うことになるが、猛暑が続けば増益が見込まれるが、安値で販売すると薄利多売となり、利益が見込まれず骨折り損で終わる公算も出てくる。
ガソリンのシキリ価格値下げを受けて7月に入って末端市況は急落してきた。今年1月の原油価格は40ドル台の底値を付け、その後は値上がり局面となった。
原油価格は4-5月で60ドル台に乗せて、5月には65ドルへと値上がり、仕切価格も値上げとなった。製油所の定期修理が集中したこともあり、需給はタイトとなった。海外市況も値上がりしたため、製品輸出も好調となり、元売、販売業者ともマージンを確保した。
その結果、元売の4-6月期業績は回復して黒字となってきた。しかし、6月末にはギリシャの財政不安、中国の株価下落で原油価格が下落して上旬には60ドルを割った。これにイランの核開発問題で合意が伝えられたため、その直後は原油が下落した。しかし、直ちに輸出が再開されるものではなく、まだ多くの問題が残っているとの見方から原油価格は反発、足元は56-7ドル/バーレルで推移している。
一方、ガソリン市況は6月価格に比べると一気に4-5円値下がりしたが、7-8円値下げした地区もある。
安値のセルフは128-9円と130円を割っている。SSによってはカード会員割引とか、土曜日が特定日、5とか7日の特定日として3-4円安で販売する商法も散見されてきた。特定日が増加すると毎日が値引きとなってくるためマージン減となっている。
特定日を設け増販に成功した事例として紹介されると各SSも同じ方法で実施するため差別化がなくなり、結局は安値が残り、ユーザーが得をすることになる。
原油価格は横ばいで推移しているため、先行して末端市況を値下げすると業者の経営は再び悪化する心配も出てきた。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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