日刊ニュース

2015.08.21 のニュース

夏場のガソリンは増販 猛暑と値下がりが好材料で

 ガソリンの8月商戦は、旧盆が終わり、月末に向けて最後の追い込みの時期となってきた。7~8月は夏場商戦の区切りとなり、SSサイドも実績を集計、分析して今後の課題を検討することになるが、ガソリン販売が下落したことから秋から年末にかけても、景気回復、好天気となれば、増販は期待できそうであり、明るい見通しも出てくる。
 今までの7~8月販売は、猛暑と好天気に恵まれたのと、ガソリン価格が値下がりしたため増販となった。昨年の夏は台風が到来して大幅な減販となったため昨年に比べると増販となった。
 短期的には、夏場商戦での販売数量については、一喜一憂するが、今後の見通しとなると、基調は、省燃費車の普及、若者の車離れで減販は続くことになるが、大幅に減少することはないようである。
 夏場での増販、増収、増益は、SS経営の基盤強化のポイントとなる。そのため適正マージンの確保と利益が、どの程度まで達成されたかが需要となる。
 しかしながら、値下がり局面となり、市況下落でマージンは減少したこともあり、増益は、地域、立地条件で差が出たようである。
 ガソリンが大幅に値下がりしたため、増販効果は、大きいが、需要を一気に押し上げるには至らなかったが、需要増で市況が安定した地区のSSは増益となったところもある。昨年夏の170円相場に比べれば130円相場となり、約40円の値下がりとなった。セルフの安値は120円台となっており、ユーザーも割安感を持っており、車の利用は増加している。
 だが、省燃費による走行距離が伸びており、1台当たりのガソリン消費量は減少しているため、安値となって車を利用するが、大帽な需要増には結びつかない。
 しかし、猛暑とガソリン安値という好条件が重なったため、マイナスとはならず増加となったようである。
 今後も需要増は難しいため、減販を前提にしたSS経営が求められる。SS数は3月末で3万3510ヵ所となり、うち、セルフは9530ヵ所となっているため、セルフ比率は28%となっている。全体のSS数は需要減を背景に今後も減少する。一方、セルフは増加するが、建設予定地も一巡しているため増加のテンポは遅れることになる。減少するのはフルサービスSSとなるが、これも大幅に減少することはなく、落ち着きをみせている。
 今後もガソリン、軽油車の時代が続くことになり、需要は減少するが、相当量の需要は残るため、SS経営は、経営基盤の強化、創意工夫とユーザーニーズ合した経営を行なえば、存続は可能である。ただ需要減少は、避けて通れないところが厳しいところである。
 将来はEV、燃料電池車の普及も予想されるが、短期間で大きく転換することはない。まだ、数十年はガソリン、軽油の時代は続くことになる。
 一時は次世代SSの検討を行なったが、現在は下火となっている。予想して対応策を検討しても、実現の可能性が薄いのと、資金面からも販売業者では、対応が不可能とういうことが分かってきたこともあり、より現実的に考えて、その時代が到来してから判断することになった。積極的ではなく慎重に取り組むことになり需要減は続くが、ガソリン時代が続くことがコンセンサスとなっている。
 燃料多様化の時代も来るが、ガソリン需要は減少傾向にある。今後もガソリン、軽油の時代は続くとして、当面は適正マージンの確保によるSS経営の基盤強化に専念すべきである。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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