日刊ニュース

2015.09.04 のニュース

ガソリンは7~8月で増販も 市況下落でマージン減により薄利多売

 7月のガソリン販売は477万キロリットルとなり前年比で5.4%増と大幅な伸びとなった。マイナス基調で推移しているため増販が目立つが、好天気と猛暑が続いたことになる。だが、前年が天候不順で4524万キロリットルという低水準であったための反動である。前々年は510万キロリットルであったのに比べると今年7月は前々年比では30万キロリットルも少ないことになる。前年に比べると増販となったが、猛暑によるものであり、カークーラーの使用増も増販に結びついたことになる。さらにガソリン価格が大幅に値下がりしたことも増販に寄与したことになる。昨年は170円/リットル相場であったが、140円台に値下がりしている。
 8月も販売価格の値下がりが続き、販売は好調で推移して、前年比では3%程度の増が見込まれており500万キロリットルを超えたようである。これも前年が496万キロリットル(前年は542万キロリットル)と500万キロリットルを割った低水準であったための反動である。
 平成27年度のガソリン需要見通しでは、前年が天候不順で4.3%減となるとして、0.3%の微増と5年ぶりのプラスを見込んでいるもので、28年度以降は2%強の減少を見込んでいるため、向う5年間の年率は1.8%減となり、26~31年度では全体では8.9%減となる。
 7月販売は伸び率では5%増となるが販売数量からみると、前年の販売数量が低位であるためで、実需要が回復したことにはならない。ガソリンは天候次第といわれているが、今年は猛暑が幸いしたことになる。基調は省燃費車の普及、若者の車離れが浸透しており、マイナスが続くことになる。とくに省燃費車が増加しており、同じ数の固定客を確保しても自動的に20~30%が減少することになり、販売数量を維持するためには新規顧客を獲得しないと、減販となるため、価格競争が展開されることになる。
 4~6月の販売数量を見ると、4月が428万キロリットルで6%増となったが、前年の消費税の増税後の需要減の反動で増加したが、5月は463万キロリットルで横ばい、5月が419万キロリットルで3.4%減となり、4~6月では微増となっている。
 4~6月の製品需給は、製油所の定期修理が集中したのと、原油価格が値上がりに転じたため仕切価格が値上げしたが、需給がタイトで推移したため元売もマージンを確保したため業績が回復した。原油価格が値上がりし、在庫評価益が発生したため、増益となった。
 しかし、7月以降は、原油価格が下落局面となり、市況が急落してマージン減、在庫評価損が発生することになり、7~9月の業績悪化が見込まれている。7~8月のガソリン販売は増販となったが、マージン減となっている。前年の7~8月が天候不順で5%程度の減となっているため通常ベースも増販が見込まれていたが、猛暑と販売価格の下落が追い風となり増販となったが、マージン減で薄利多売となってきた。
 ちなみに燃料油の販売数量をみると4月が1494万キロリットルで6.1%の増、5月が1368万キロリットルで0.8%増、6月は1322万キロリットルで0.8%増となっている。7月は1415万キロリットルで1%の微増となっているが、ガソリンが5%増、ナフサが13%の大幅増となったものの、その他の油種は軒並み減販となっている。ガソリン、ナフサの増販で燃料油全体では微増となっており、4か月連続で前年比ではプラスとなっているが、増販となったのはナフサのみである。ナフサは化学品の原料となるため、輸入で手当てしており、石油各社の業績には影響が薄い。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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