日刊ニュース

2015.10.06 のニュース

連休商戦が残した教訓

シルバーウィークが過ぎ、今年の大型連休商戦は残すところ年末のみとなった。ここまでのSS業界の成果について、本紙ではGW=「好天がドライブ需要喚起」、お盆=「猛暑、ガソリン安効果」、SW=「好天とガソリン割安感が奏功」など、ガソリン需要が堅調で概ね好感されたと報じる一方、GW=「利益薄い」、お盆=「口銭圧縮」、SW=「マージンは不十分」と、いずれも収益性の低さを問題視する声が目立ったことを紹介した。
 交通量の傾向をみると、GWは一般国道が前年比0.3%増、観光地周辺国道が1.1%増、高速道が1.4%増、お盆は国道が3%増、観光地周辺が5%増、高速が3%増、SWは高速が49%増と好調が続いた。データは全国の主要地点・区間の単純平均値で、地域差が当然あるし、お盆は「台風影響を受けた前年の反動」「ガソリンの値ごろ感回復」、SWは「6年ぶりの5連休」などの追い風も吹いた。
 翻って、ガソリン価格。各連休期間直近のレギュラー全国平均(石油情報センター調べ)は、2013年=GW153.2円、お盆160.2円、SW161.2円、14年=GW164.8円、お盆169.2円、SW167.1円、15年=GW139.9円、お盆140.0円、SW135.4円。今年のSWは、一昨年比で26円、昨年比では32円も割安となっていた。
 燃費向上に伴う需要影響は受け入れざるを得ないが、折角の「ガソリン値下がりと好天によるプラス効果」を量販のための起爆剤的に利用し、SS強靭化の足がかりを無にするような事態が繰り返されたことは残念だ。減販基調は続く。廉売に明け暮れて限られた需要を奪い合うよりも、業界挙げて需要を創出し、同時に収益性を向上させる工夫に知恵を絞るべきだ。ユーザー・石油業界の双方に便益をもたらす健全な競争が望ましい。
 国交省・国土幹線道路部会は今夏、高速道路を中心とした『道路を賢く使う取組』の中間答申をまとめたが、その中では「国内旅行などの観光振興や地域活性化を一層推進するため、企画制度割引を高速道路会社の創意工夫を生かして柔軟に運用し、積極的に取り組んでいく必要がある」などと促している。
 クルマが動くことで、地域は活性化する。地方創生の後押しは、石油需要にも影響する。

提供元:全国石油商業組合連合会
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