日刊ニュース

2015.10.08 のニュース

「基本方針」を手に交渉を

 官公需に関する「平成27年度中小企業者に関する国等の契約の基本方針」が閣議決定してからおよそ1ヵ月半が経過した。基本方針に「中小石油販売業者に対する配慮」という画期的な項目が初めて明記されたことから、石油組合による地方公共団体などへのアプローチが始まっている模様だ。
 国は、国そのものや出先機関さらには地方公共団体などが、災害時燃料供給協定を締結した石油組合やそれに参加している中小石油販売業者に対し、官公需の平時からの分離・分割発注や随意契約の活用など、受注機会の増大に努めるよう配慮を求めた。その8月28日の閣議決定と同時に経済産業大臣と総務省自治行政局長名で、県や市町村などに対してそれぞれ通達が行われた。
 各地区の経済産業局も、9月中に全国50ヵ所で官公需の発注者側である自治体などの担当者や、その受注を目指している中小企業団体中央会の加入組合員を対象に説明会なども行った。
 そのため、もうすでに地方自治体などに対しては十分な周知が行われているはずなのだが、一部の石油組合が問い合わせたところ、担当課の職員から「そのようなことは、まだ、上から降りてきていない」という返事もあったという。
 官公需の受注促進は我々石油販売業界の長年の課題で、基本方針に中小石油販売業者への配慮が特別に明記されたことは大きな前進である。しかし、相手方である県や市町村にとっては、慢性的な財政難を理由に官公需として調達する物品や役務を少しでも安くしようとするだろう。したがって、積極的にその配慮要請に応えようとはしないのが実情だ。
 だからこそ、これからは各石油組合や組合支部による粘り強い働きかけが求められることになる。通達が届いていない場合を想定して、閣議決定した文面をコピーし担当者に示したり、総務省の通達についてもその書面を見せて事実を伝えるなど、可能な限り今回の通達文を活用することを提案したい。
 中小企業庁のホームページには、この基本方針の解説文もアップされている。そこにはもっとわかりやすい言葉で石油業界への配慮の必要性が掲載されている。こうした文書を最大限に利用して、地方公共団体の理解を勝ち取っていくことがこれからの課題である。

提供元:全国石油商業組合連合会
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