日刊ニュース

2015.10.14 のニュース

仕切り調整が外れると大赤字も 業転との価格差縮小では歓迎

元売りによる仕切価格の調整が行われているが、建値制の復活であり、仕切価格が未定のまま販売することになるため、実際のマージンが確定するのは、仕切価格の調整後となり、これでは正当な商売はできない、などの不満が販売業者サイドから出ている。結果的には業転と系列的仕切価格との間の価格差が拡大したため、その価格差を調整する方策を実施しているが、過去においては事後調整を見込んで販売したが、調整が停止となり、大赤字で倒産したケースもあり、警戒も必要となる。
この仕切調整問題は、精販協議会(意見交換会)の場でも、提起されたが、個別な商取引の問題となるため、結論は出ず、販売業者からの問題提起で終わっている。
安い業転玉の出回りが問題となるが、元売りも、実需の見合った生産で対応している。石油の場合は、受注生産ではなく、需要を想定して生産しているため、最近のように減販傾向が続くと、安定供給を優先して余裕を持って生産するため供給増となり、業転玉が出回る。業転は余り物であり系列よりも安値となる。業転は受給に調整剤として常に存在するが、最近は業転玉が多くなっている。
一般的には業転といっても、その定義もなく、自由化を機に業転を容認しているため、系列玉と非系列玉を区別することは難しくなっている。現実に大口の商社向け、大手特約店などへの供給は、業転扱いなのか系列取引扱いなのか、区別は難しい。当然、大口であるため数量割引もあり、小規模の特約店との間には価格差がある。
元売も系列販売玉の扱いは、販売・営業部の本流となるが、業転玉の扱いは、需給部や特別の部署となる。元売サイドでは業転玉を購入したら自社の油槽所から出た玉であったというケースもあり不透明な部分もある。
販売業者間であっても業転を扱っている業者、業転を購入して商売している業者もあり、業転を悪者扱いにすることもできず、悩ましいところである。
最近の仕切価格の事後調整は、過去のように半年、一年前に遡及することなく、一ヶ月間とか月内か1-2週刊の短期間で決着する方策を採っているため以前の事後調整とは違うとしている。調整幅は系列内は一律である元売と、特約店別の個別対応もあり、取引関係によって差が出る。結局は個々の商取引となるため不透明となり、販売業者間にも疑心暗鬼が積もることになる。
正論では公正で透明な商取引に反するものであり、調整は止めるべきであるとの意見もあるが、実体論からすると販売業者サイドでも業転との価格差が拡大すれば仕切調整を求めており、商売となると、きれい事ではすまされない。
最近のように業転と系列仕切価格の間に10円以上の価格差が生じる状況となると、当然、仕切価格調整の要求が出てくる。元売の仕切価格改定は、原油コスト連動方式を基調としているが常に需給がタイトな状況を維持することは不可能であり、どうしても業転玉が出回ることになる。
元売も業転との乖離を容認することで仕切価格を調整することになるが、事後調整は決まったルールもなく、元売の市況動向をみての判断となる。過去においても販売業者が調整を見込んで安値で販売したが、これが外れたため販売業者がかぶりとなり、倒産に追い込まれたケースも出ている。
後調整が実施されるとみて、周辺の市況をみて安値で販売したが、元売の販売方針が変更となり、事後調整を停止したため、後日大損が発生することになる。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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