日刊ニュース

2015.10.19 のニュース

終わりなき再編の一里塚

この10月も後々からみれば再編、集約化の節目として数えられるのかもしれない。それだけ10月1日付の変化は多く元売から総合商社、薪炭大手まで及んだ。1日の動きを順にみると、来年に統合する出光興産と昭和シェル石油の両社が統合準備室を発足させた。元売の統合は過去に幾多とあるものの、その中で最も難度が高いともされる両社の統合は具体化へ一歩進んだ。主要元売の中、これまで合併・統合を経験してこなかった唯一の出光も、新たなリーディングカンパニーへと業容を拡大する。
 同じく主要元売の一角を担うコスモ石油は持株会社化へ移行した。コスモエネルギーホールディングスを誕生させ、それを資源開発のコスモ石油開発、精製・供給のコスモ石油、販売のコスモ石油マーケティングの中核事業3社が支える体制となった。元売で持株会社化したのはJXホールディングスに続き2番目だ。さらに、精販体制が同じグループ内ながら分離、こうした体制は主要元売の中ではEMGマーケティングを抱える東燃ゼネラルグループと同様になる。
 一方、総合商社や上場の薪炭大手も変わった。三菱商事は100%出資の三菱商事石油を母体にエムシー・エネルギーや本体の産業用燃料部門を合併させ、新会社・三菱商事エネルギーをスタートさせた。同じく総合商社系の伊藤忠エネクスが2008年に親会社の伊藤忠商事から燃料トレーディング部門などを吸収、拡充させた姿を思い起こす。住友商事、三井物産、双日の各社はすでに業界と直接の関わり合いはなく、残る総合商社の成り行きが注目される。ちなみにこの再編の中、旧双日エネルギー(現総合エネルギー)の直営SSがコスモ石油販売の運営に変わっている。
 また、薪炭大手のシナネンも持株会社化し、シナネンホールディングスの下にエネルギー卸・小売周辺事業、エネルギーソリューション事業、非エネルギーおよび海外事業の3事業にかかわる各社をぶら下げる体制に進化した。巷では「現在は業界再編の最終章」という声が多い。一方で、いつまでその業界というカテゴリーが存在するのかわからないのも事実だ。増して、元売から商社などまで、多くの企業が総合エネルギー化を目指す時勢だ。今後、他業界を巻き込んだ新たな再編劇が起こる可能性は大だろう。我々も、終わりなき変化が続く時代を生き抜くことになる。

提供元:全国石油商業組合連合会
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