日刊ニュース

2015.10.22 のニュース

モーターショーに思うSS像

「東京モーターショー」の開幕が迫ってきた。来週30日~11月8日の10日間にわたって一般公開される。世界11ヵ国から160社が参加し、国内すべての乗用車・商用車・2輪車メーカー15ブランド、海外メーカー26ブランドが出展。世界初披露は76台(乗用車42台)、国内初披露は68台(49台)が展示される予定だ。
 これは、2年前の前回ショーとほぼ同規模。前回の来場者アンケート結果によると、男性が8割、年齢層は「15~29歳」(20%)、「30~49歳」(58%)、「50~69歳」(22%)で平均40・6歳。前々回に比べて若年層が減り、中年層が増えた。来場経験回数は平均5・1回。来場者の横顔を大雑把にいえば、「何度もショーを見にきているクルマ好きの中高年男性が多く、新車を選ぶ際の参考にしている」。ただ、初めての来場者が3割弱いたことは見逃せない。
 ショーの歴史を振り返れば、1954年の初回は日比谷で10日間開催され、展示面積は今回のわずか1割強、出展乗用車は17台だったが、来場者は55万人で前回90万人の6割程度いたのだから、相当の熱気だったはず。以来、クルマの歴史がSS業の変容と重なってきた部分は少なくない。第1次オイルショックを契機に73年以降は隔年開催となり、ピークは91年の202万人。昨今とは隔世の感がある。
 それでも、SS業はクルマを主軸とした商売。熱心にモーターショーに足を運ぶようなマニア、生活の足としてクルマを活用する地方ユーザー、これから免許を取る若者たち…。この先は根っからのクルマ好きが減っていくとの前提に立ち、多様なユーザー層のカーライフをできる限り“長く”“柔軟に”支え続けていく仕事が一層求められるだろう。直近の保有台数は、乗用車6千万台強、貨物車1500万台弱。これに2輪車も加わる。次世代車への切り替えは徐々に進むが、乗用車の実走行燃費は11・1㌔(12年度)。販売モード燃費との格差は逆に拡大している。保有期間がますます長期化する中、メンテナンスの必要性はむしろ高まっている。
 一方、ショーではクルマが家や街の一部として機能・連携したり、自動運転技術で高齢者をサポートするスマートモビリティシティ展も注目される。お客様やスタッフと近未来のクルマ社会を語り合い、目指すべきSS像を探る。モーターショーをそんな機会ともしたい。

提供元:全国石油商業組合連合会
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