日刊ニュース

2015.11.02 のニュース

人手不足に潜在労働力の活用

SS現場で人手不足が深刻化している。少子高齢化の急速な進展や人口減少で労働力不足がさらに進めば、将来のSSの発展・成長はおろか、日々の運営をも妨げかねない。
 経営者からは「求人誌に広告を掲載しても、問い合わせすらないこともある」、「やっと確保できたアルバイトが他に時給が良い勤務先があるからと辞めてしまった。時給を上げたばかりなのに」と、人手確保に四苦八苦するところが増えている。
 人手不足はSS業界に限った問題ではない。人手不足によって店舗が閉鎖や営業時間短縮に追い込まれるなど、とりわけ飲食や小売り、建設などの業界で深刻化している。求職者の多くが、職場環境が快適で、勤務時間も一定、休日もしっかり取れる「一般事務」を希望するという。
 一方、雇用する側も厳しい競争に勝ち残るためのコストカットの名のもとに人件費を削減するため、契約社員やパートといった非正規雇用を推し進めてきた結果、仕事を探す人が求める仕事・職と企業が求める求人とのミスマッチが生じている。時給を上げていくことには限界がある。少人数で仕事ができるようにしたり、職場で必要となる技能や技術を備えた人材を育成していくなどの前向きな対策が必要となってくるだろう。
 全国の石油組合では、HVなどの次世代自動車への対応に加え、車の点検整備に欠かせないスキャンツールの研修会を実施するなど、組合員の人材育成支援に力を入れている。今後さらに従業員のキャリアアップが図れるよう、技能・技術から接客サービスに至る多面的な研修メニューの構築が急がれる。
 一方、SS人手不足対策として、栃木石商(村上芳弘理事長)は厚生労働大臣の許可を受け、組合員から手数料や報酬を受けない無料職業紹介事業を始めた。埼玉石協(星野進理事長)は公益財団法人いきいき埼玉と連携し、社会経験豊富な55歳以上のシルバー人材をSSで積極的に雇用してもらおうと「ガソリンスタンド講習会」を毎年実施している。
 SSではこれまでも女性スタッフを積極的に登用してきたが、今後はさらに子育て世代の主婦層にまで広げて、短時間の勤務にも対応できる労働環境を整備していくことが必要となってくる。さらに、パート・アルバイトの積極的な正社員としての登用も有効策となろう。SSも老若男女を問わない潜在的な労働力活用に努めていかなければならない。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE