日刊ニュース

2015.12.03 のニュース

機能不全を正す責務

 「ぜんせきweb」11月アンケートでは、「仕切価格改定方式」について聞いた。webアンケートはこの12月で53回目となるが、この間、「仕切価格改定方式」について取り上げたのは5回目となる。
 「建値」と「事後調整」によって成り立っていた旧来の仕切り改定が「コスト積み上げ」に移行し、さらに指標の一層の透明性を求めて「市場連動」へと移行。この「市場連動」も何度かの曲折を経て微妙に変化してきた。そしてこの道筋をそのまま逆に辿る形で、いままた「建値」と「事後調整」によって成り立つ仕切り改定へと逆戻りしたと言われる。「仕切価格改定方式」をテーマとした5回のwebアンケートは、そのまま、仕切り改定方式の変遷を辿ったものと捉えることもできる。
 この5回のアンケート結果から、ひとつの共通項に行き着く。それは、「コスト積み上げ」であれ「市場連動」であれ「建値と事後調整」であれ、どんな方式を採用しても、それによって市場が長期に安定したことは、残念ながら過去になかったという事実だ。業転格差も系列内格差もPBの廉売も子会社の廉売も、仕切り改定方式の変更によって根本的に改善されることは一度もなかった。
 そこから導き出される結論は、元売に対する販売業界の根強い不信感であり、それは5回のアンケート結果に如実に反映されている。11月アンケートで「どのような仕切り改定方式が理想か」との問いに対して、56%が「元売の姿勢が根本的に変わらない限り、理想的な改定方式などありえない」と回答しているところに、なにより明確に現れている。
 ただし、だからと言って販売業界が、元売の仕切り改定方式の変遷を実体のない、無意味なものとして捉えてきたわけではもちろんない。透明性を求め、公平性を求め、そしてなにより公正なる実効性を求めて、元売に根気強く働きかけてきた。衝撃的だった米国発のPBによる90円割れの販売価格も、突き詰めれば元売の仕切り改定方式の中に取り込まれているはずだから、販売業界からの働きかけが功を奏しているとは依然として言い難いが。
 仕切価格は元売と特約店との関係を司る要だ。これがきちっと機能しなければ、特約店制度そのもののタガが外れてしまう。その意味をいま一度肝に銘じ、仕切り改定方式の機能不全を正す責務が元売にはある。

提供元:全国石油商業組合連合会
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