日刊ニュース

2015.12.25 のニュース

年末年始の事故防止対策

今年も5月のゴールデンウィーク商戦や8月の旧盆商戦に並ぶSSの書き入れ時となる年末年始商戦が本格化する。年末年始はガソリンの販売量が伸びるだけでなく、天候にも大きく左右されるが、灯油配達も繁忙を極める。さらに年末に向け洗車の需要も一気に増えて、SS店頭は混雑のピークを迎える。
 しかし、こうした繁忙期こそ最も気をつけなければならないのが事故だ。人はどうしても仕事が集中し忙しくなってくると、注意力が散漫となり、思いがけない事故を引き起こすことがあるほか、忙しさにかまけて注意や確認を怠ったがために、些細な出来事が大きな事故に発展してしまうこともある。
 わかりきったことだが、SSはガソリンなどの危険物を取り扱う施設である。爆発事故や火災事故などの危険と常に隣り合わせで、流出や混和、漏洩が車の故障や事故、火災、環境破壊などを引き起こすような事態は絶対に避けなければならない。
 消防庁がまとめた2014年のSSを含む給油取扱所での火災事故は前年に比べ4件増の26件となり、2年ぶりに前年を上回った。流出事故(油漏洩など)も9件増の65件に増加し、3年ぶりに前年を上回るなど、事故発生件数の多い危険物施設に含まれる憂慮すべき状況となっている。
 発生原因は「監視不十分」や「操作確認不十分」、「誤操作」など人的要因が上位を占める。
 今後とりわけ注意しなければならないのは、石油製品のSSでの荷卸し時のコンタミ事故だろう。SSでガソリンが混入した灯油を誤って販売するといったコンタミ事故などが毎年各地で散見される。消防法を順守し、タンクローリー運転手とSSスタッフとで、注入口や油種、数量などを相互に確認しながら荷卸ししなければならないにもかかわらず、顧客が増える年末年始のSS店頭で仕事に追われ、相互確認を怠ったがためにコンタミを引き起こしてしまうというようなことが現実とならないことを祈るばかりだ。
 万が一、コンタミなどを起こしてしまったら、莫大な回収コストが発生するほか、人身事故につながるようなことになれば、社会的な信頼失墜も免れず、SSの経営存続さえ危ぶまれる状況に陥ってしまう。
 事故の発生リスクを引き下げるためには、日常点検の励行や安全管理を担う人材の育成強化が重要になっている。

提供元:全国石油商業組合連合会
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