日刊ニュース

2016.01.07 のニュース

暖冬で灯油は減販強める 年末年始が高値で予想外れ ガソリンも減販傾向

1月に入っても東京地区の昼間の気温は15-6度と上昇して3月並となり暖冬のため灯油・ガソリンなどは販売不振となっている。灯油の販売は、電気・ガスへの燃料転換で基調は減販が予想されていたが、暖冬が影響して、予想外の減販となっている。原油安で仕切り価格が値下がり、販売価格も値下がりしているため増販が期待されたが、空振りとなりそうである。灯油の11月販売は142万キロリットルで15%減となり、最盛期の12月も18%程度の減が見込まれている。1月に入っても好天気となり気温が上昇しており、早くも灯油商戦は勝負があったと諦めムードが出てきた。減販となったため減産対応となっている。灯油シーズンに入ると灯油が値上がりして、業転、先物市況はガソリンよりも値上がりするが、足元は灯油が36円/リットル、ガソリンは39円となり、灯油安が続いている。ガソリンの11月販売は427万キロリットルで前年比の1.4%の減、12月も3%程度の減が見込まれている。年末年始も車の利用が増えたが、省エネ車が多く、ガソリン販売も伸び悩んでいる。
昨年12月は暖冬となったが、正月も暖かい日が続き、正月明けも気温が上昇している。暖冬のためスキー場にも雪が降らず開所が遅れるとか、一度降った雪が溶けたなどの暖冬傾向となっており、灯油が減販となっている。
ガソリンも上期は増販となったが、下期は減販となっている。その他のA重油、C重油も減販となっており、どうにか軽油が微増で推移したが、11月販売は269万キロリットルで3.4%減となった。経由は、復興需要など建設工事、景気回復で貨物輸送が増加しているため、微増が見込まれている。トラック業者は軽油価格の下落で経営が改善されている。灯油、A重油の値下がりで農業は乾燥用、漁業者も燃料安で恩恵に浴している。石油製品の値下がりは国民生活面から見れば、物価安となるため、消費者からは歓迎されている。一方、末端市況は仕切り価格の値下がり以上に値下がりしているため、販売業者のマージンは減少している。そのため経営は厳しくなっている。だが、現金価格は即値下がりしているが、掛売の場合は月次での決済のため値下がりが遅れることもあり、その結果、マージンを確保している。仕切り価格の値下がりが急であるため、掛売は月単位での決済でされるため、現金価格よりも値決めが遅れることが幸いしている。
昨シーズンの灯油の掛売りも仕切り価格の値下げが急であったため、歩留まりがありマージン増となったようであるが、今冬も仕切りが値下がり局面となっているため、マージンは確保されている。灯油の小売価格も、大きく値崩れしていないためマージンは確保できている。
しかし、原油価格が300ドル/バーレル代の安値が長期にわたると原油の開発が遅れたため、需給はタイトになり、いずれは反騰することになるなど混乱期を迎える。そのため、ある程度の水準に維持させることが望ましいが、乱高下して推移しているのが実態である。このあたり30ドル台が底値となりそうであり、異常な安値となるが、これもなれると相場となるため見通しは難しい。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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