日刊ニュース

2016.02.18 のニュース

1SSの未来を問われて

47都道府県にはすべて石油組合があり、その傘下には各地域を取りまとめる支部組織が設置されている。そうした各地域の支部組織はほとんどの場合、地場中小SSが中心になって運営しているのが実態だ。
 先般、首都圏にある支部組織の役員会に参加した。当然、出席者はいずれも1~2SS所有の地場経営者である。会合の中では、地場中小は情報が不足気味で、その補完が大きな課題の1つとされた。
 系列を通じた元売からのタテの情報だけで満足できる時代ではなくなってきているのだ。特にセルフ解禁を契機に、元売を中心とする系列社会の主流では量販型セルフが幅を利かせるようになり、それを販社SSの拡大がさらに加速した感がある。
 地場中小SSの経営スタイルは、地域密着型のフルサービスが大勢。その中で、カーケアに力点を置くSSや、配送業務に力を入れるところなどに分かれる。大型量販セルフを完成型に置いたような政策や情報とは乖離が生じるのは当然かもしれない。
 一方で、同じ様な境遇にある他の地場中小がこの激動期にどのような取り組みをしているかへの興味は増していると判断できる。組合などを通じたヨコのつながりでも情報収集をより多くし、経営判断に役立てていくことが重要になっている。
 地場経営者から聞かれる悩みはシビアで現実的なものが多い。今回の役員会でもマージン減、数量減、油外や雇用の悩み、さらに相続などSS運営以外のことにまでおよぶ。自分たちだけでは解決できないものもある。象徴的だったことにガソリン内需減などから業界縮小が本格化する中、「将来展望を悲観し離職するSSスタッフを力強く引き止めることができない」という指摘があった。1SSの未来について問われ、「あと何年くらい、我々はSSをできると思うか」とも聞かれた。1SSとはいえ市場環境、経営体質は異なるため一律の解答が出る訳がないが、切実な思いは沁みる。1SSがそれぞれ独立した経営基盤を残し補完、連携しながら経営を強化する方策の必要性を改めて痛感した。
 今月の全石連経営部会では、組合員の事業統廃合や事業再生など様々な相談に応える『経営相談室』の設置を提案する方針を決めた。さらには多数の独立した中小小売店が連携・組織化してつくるボランタリーチェーンを、いまこそ石油業界も生み出すべきとの指摘も出ている。

提供元:全国石油商業組合連合会
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