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2016.02.22 のニュース

業転指標の透明性を探る 受給を反映した仕切価格の構築を検討

総合資源エネルギー調査会資源・燃料分科会は、再開され、新しい政策課題として「元売・販売間の公正取引環境整備」が取り上げられ検討を開始することになった。この問題点は、昨年7月の報告にも「仕切価格の決定方式は、元売と販売業者間の認識の共有と仕切価格の予見可能性の確保、更にはISOCO(証券監督者国際機構)の原則の遵守を通じて価格報告機関の調査手法を確保する。先物市場の活性化の方法を検討する」と指摘されていたもの。
その結果、仕切価格などの問題を巡っては元売と販売業界との間で協議会が設置され、経産省、公取引委が入って審議しているが、業転と仕切り価格の価格差問題は平行線である。経産省も行動家の対応、元売の集約化を重点に取り組んだこともあり、流通問題は先送りになっていたが、今回、流通問題を検討することになった。
今回の政策課題では「受給を適正に反映した卸売価格指標は、元売と販売業界の双方にとって自主的・合理的な経営判断を行うための情報インフラが不可欠である。
しかし、陸上スポットが海上より安い逆転現象が常態化しており、元売から価格指標として信憑性に疑念が呈されている。受給を適切に反映した仕切り価格の指標を確立するために、先物取引の活性化、民間情報機関によるIOSCO基準の遵守の徹底するため検討する」と再度、政策課題として提起した。
とくに参考となる情報機関による業転の指標が、実勢市況との乖離が生じるケースが多く、その調査価格の透明性が求められている。調査方法、価格帯、提示する価格水準などを求め、信頼性を確保するなどの方策がとられるものとみられる。
一方、仕切り価格の改定の変遷をみると、以前は原油コスト連動の月決め方式で実施されてきた。しかし。原油価格の変動が激しくなると、月末にはコストの変動幅が事前に見込めるため値上がりと見れば仮需が発生することにより、値下がり予想されると買い控えが発生するため、元売りが不利となる。
そのため元売りは8年10月から市況を反映させた週決めに変更した。短期間での仕切り価格を変更してコストの回復を図った。だが、仕切価格と業転との価格差が拡大することになり販売業者から仕切り価格が不透明であるとの反発が強まった。その前提は需給を適正化にして業転市況の値上がりを見込んでいたが、元売間の競争が激化したこともあり、需給が緩和して業転が低迷したため、コスト回収することができず、元売の業績は悪化した。
その結果、仕切価格の改定方式は、見直しが続いたが、14年6月から原油のコスト変動を重視しながら業転、他社の動きなど総合的に判断する方式に変更して今日に及んでいる。だが、原油価格が大きく変動する状況が続いたこともあり、仕切価格と業転との価格差が拡大することになった。最近のように原油価格が急落したため、価格差が一段と拡大した。元売も実勢市況を無視することはできず、月末か月初に仕切価格を調整している。
この調整は、事後調整の復活であるとの反発が出ているが元売は以前の仕切価格の事後調整とは違い、短期間を対象としたものであると説明している。販売業者サイドも、市況下落から仕切り価格の調整を求めている。受け止め方はまちまちである。本音は歓迎するが、建前は建値性の復活であると反発している。

提供元:株式会社 石油タイムズ社
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