日刊ニュース

2016.03.07 のニュース

「石油の重要性」改めてPRを

東日本大震災から丸5年を前に、関連報道が増えている。多くの教訓を今後の防災対策に生かすための取り組みなどもみられる。大地震発生のあと、ニュース映像はガソリンや灯油などを求めるクルマと人で長蛇の列が続いたSSの光景を繰り返し報じ、“石油”が注目を集めた。消費者調査の中でも、日常生活で最も入手に困っている商品としてガソリン、3位に灯油が挙げられるなど、想定外の石油不足に直面してユーザーは強い懸念を抱いた。
 相次ぐ大きな余震、製油所の被災、原発事故もあって、移動手段の確保や生活防衛として石油製品を十分に確保しておきたい意識が急速に広がるという要因も重なり、石油不足に拍車がかかった。被災地にとどまらず、最大震度5強だった東京都内も大混乱。こうした買い急ぎを沈静化するため、全石連と石油連盟は『緊急のお願い』と題し、不要不急の給油を極力控えるように呼びかけるポスターを連名で作成。本紙は1週間後の3月18日付号で挟み込み、SSの協力を得つつ対外広報に努めた。
 翻って、石油に対する危機管理意識と行動は、5年を経て大きく変わったか。消費者側から購入環境をみると、エネ庁全国平均小売市況は地震発生後の3月22日時点でレギュラー151.2円、灯油店頭93.4円、軽油130.8円に対し、直近2月29日時点では112.5円、61.3円、97.7円。レギュラー39円、灯油32円、軽油33円も下がった。だが、内需は減少している。SS数は11年3月末の3万7743ヵ所に対し、昨年3月末で3万3510ヵ所。その間の平均減少数から試算すれば、今年度末までに5千ヵ所超が減る格好だ。ほぼ毎週のように値下がりが続き、来店を先延ばしにするユーザーもいると聞く。平均実燃費が向上しても、給油拠点は大幅減なのだから、万一の際にはSSへの駆け込みが一層激しくなる可能性は高い。
 石油販売業・SSは阪神淡路大震災で燃料供給にとどまらず、延焼を食い止める役割なども果たし、今週の報道特番でも「意外と安全な場所」と紹介されていた。東日本大震災では、帰宅困難者もサポートした。大地震はいつ、どこで起きるかわからないが、首都直下や南海トラフでの発生確率は高い。マスメディアは、原発再稼働や再生可能エネルギーに偏り過ぎず、もっと、石油・SSの重要性を伝えてほしい。

提供元:全国石油商業組合連合会
〒100-0014 東京都千代田区永田町2-17-14石油会館
TEL:03-3593-5751
FAX:03-5511-8870
ユーザーID:
パスワード:
ログインする
e-BISTRADE